巻頭言

【巻頭言】キューバ・シリーズ2 キューバはすごい!

キューバは社会主義ですが、どこかの国のような暗い貧しいイメージはなく、ラテン音楽が流れ、人々はルンバ、サルサを踊り、レトロの車が走り、首都のあちこちに農園があり、エコ、オーガニック、スローライフの国だった。日本に不安や失望感のある人には、老後を過ごすには最適の国かもしれない。
 
★資本主義から社会主義へ
キューバは実質的にアメリカの支配下だったが、1959年カストロとゲバラのキューバ革命によってアメリカから独立、社会主義を宣言した。アメリカ政府はキューバ政権転覆計画を立て、最大の事件「キューバ危機」では核戦争は回避されたが、アメリカは国交断絶、経済封鎖を続けている。
 
★土地は国家のもの
キューバ革命によって、土地(貧富の差の最大の要因)は国家のものとなり、個人の土地所有はできないし土地の売買はできない。地主もいないし、土地成金はいない。お金をためて土地を買う必要もない。
これは日本も見習うべきだと思う。
 
★経済封鎖⇒食糧確保⇒有機農業
1991年ソ連の崩壊によって、ソ連からの輸入や経済援助が途絶え、アメリカの経済封鎖によりキューバは窮地に立った。
もっとも困ったのは食糧だった。庭や空き地、あらゆる場所で農業を奨励した。石油の輸入もストップしたから化学肥料も農薬もなくなり有機農法を奨励した。農薬は禁止。農薬の使用は犯罪。農薬を使った土地は35年間、農地としての使用が禁止。
それから20年たった現在、主たる食糧は自給自足できるようになった。
その点も、日本は見習うべきだと思う。
 
★国家は国民に最高のサービスをする
日本国憲法では「国民の最低限の生活を保障する」とうたっているが、キューバは「国は国民に最高のサービスを提供する」とうたっていて、医療、教育は無料、生活保障があり、老後の不安が無い。ホームレスがいない。
 
★医療(無料)
ホームドクターが地域の家庭を把握、予防医療が徹底している。
必要に応じて、総合クリニック、総合病院、医療研究所に振り分ける。
政府の担当者から詳しく説明を受けたが、日本の100分の1の費用で、
日本以上の成果を上げていると思われる。
※この方は来日して日本の医療費の無駄にショックを受けたとのこと。
 
★教育(無料)
幼稚園、小学校、中学校、専門学校の一貫教育の学校を訪問し見学した。
10歳以上年齢に開きがある子どもたちが、同じ場所で学んでいることに驚いたが、校長から説明を受け、実際に子供らの様子を見て納得した。
日本では、小学生の最上級生が中学校では新入生に戻り、中学校の最上級生が高校では新入生に戻るが、ここでは1年ごとに進級することで、自然に責任感が育ち、下の子の世話をするようになる。
いじめや不登校について聞くと、「???」だった。当然だろう。
校舎の壁にゲバラの肖像が大きく描かれていたので、それについて聞くと、
校長は「最も大切な科目はスペイン語(国語)と歴史です。ゲバラは国民すべてに愛されています。どんな人も幸せに生きる権利があると教え、その実現のために戦った人ですから。思想教育は最も大切です」と語った。
キューバ国民は国を信頼しているが、その根本は教育だった。
日本は戦後、思想教育が無くなった。
しかし、戦争教育がよくなかったから思想教育がよくないというのは間違いだったと思う。平和教育、環境教育、善隣教育などの思想教育は必要だ。
 
★貧富の差が小さい
市民の月収は15ドル(1200円)で日本の100分の1以下。
私たちが訪れた総合病院の医師の給与も20ドルだった。
医師と患者は友人のようだったが、日本のような社会的格差(権威や上下感覚)がなく、「社会的に対等だ」という感覚ではないかと感じた。(つづく)