環境トピックス

【環境トピックス】平均寿命延びるも、その多くが闘病生活

世界人口の平均寿命は延びているが、延びた余生の多くをガンなどによる闘病生活に費やしているとの調査結果が、英医学専門誌ランセット(The Lancet)で発表された。

2010年の世界平均寿命は1970年と比べ、約10歳延びているが、世界の死者数に占めるガンや糖尿病、心臓疾患などの非感染性疾患による死者の割合は、1990年の半分から、2010年には3分の2近くまで増加。

2010年に世界で最も多くの死者を生んだ健康リスク要因は高血圧(940万人)と喫煙(630万人)、飲酒(500万人)だった。

一方、栄養不足や感染症による死者、妊娠・出産関連の死や新生児の死者数の合計は減少している。

ハーバード公衆衛生大学院のジョシュ・サロモン氏が「ここ20年で平均寿命は5歳延びたが、そのうち健康に過ごせるのは4年だけ」だと話しており、余命延長にのみ重きを置いた保健政策を見直し、健康維持も重視した政策に転換すべきだと研究者たちは呼び掛けている。