地球は今

【地球は今...】5分でわかる日本の国家予算(2013年アベノミクス版)

自民党政権に代わって、景気が上向き、参院選もその景気が争点になっています。
今回は、この「アベノミクス」を国家予算という視点で見ていくことにします。
(※自民党政権に代わってからの2013年度予算と2012年度の補正予算を足しあわせています。)(事務局 渡辺)

一般会計

日本の一般会計の歳出(国家予算の支出)は103兆円。

このお金の各省庁への配分が国会で決められ、厚労省33兆円、財務省24兆円などのようになっている。

一方、収入に当たる税収は43兆円しかないため、103兆円の支出の大部分(53兆円)を国債という借金で補っている。

この「国債」管理などは、一般会計とは別の「特別会計」という、日本だけの特殊なシステムで管理・運用されている。

 

 

特別会計

特別会計は、各省庁が管理しているため、既得権益の温床となりやすく、予算執行も不明瞭になっている。
日本には18の特別会計があり、総額は397兆円。
一般会計の4倍の規模がある。
この総額には、一般会計と特別会計、特別会計間のお金の受け渡しがあり、重複して計算されているため、一目で国家予算がだれにもわからないような仕組みになっている。

※一般会計と特別会計の重複を除くと233兆円になる(右グラフ)。

【私達の生活に密着した特別会計】
・年金、健康保険、児童手当などは・・・・・「年金特会」(厚生労働省76兆円)
・労災保険、失業保険などは ・・・・・「労働保険特会」(厚生労働省83兆円) 他に車両登録費用、たばこ税、交通違反の罰金なども特別会計に使われる。

日本の借金

国の収入の基本は税金であり、不足分は借金(国債)をするしかない。

25年3月での日本の借金は1240兆円、日本のGDP(473兆円)の2倍以上、税収の29年分の借金になる。

この借金の期限が来たものから、利子を付けて返済しなければならない。

そのため、見えている借金の金額以上に国債を発効し、その新しい借金で借金を返すという自転車操業をしている。

これが「特別会計」というブラックボックスの中で行われている。

高度経済成長を掲げ、1966年以来建設国債、赤字国債を発行してきた結果が、これだけの借金となっている。

つまり、自民党政権による公共事業を主体とした経済政策は、借金を蓄積する政策にすぎない。

アベノミクスとは?

アベノミクス政策は、これまで自民党政権が行なってきた政策をさらに増幅して行うことを掲げている。

公共事業

5月末に自民、公明両党は国土強靭化基本法案を提出。
参院選後、防災事業名目で、追加投資も含め10年間で200兆円以上の規模の土建を進めようとしている。

すでに24年度の補正予算として、道路やトンネルの補修として4兆円を計上し、財源には国債の増発があてられている。

金融緩和

金融緩和により、市中でのお金の量が増え、円安、インフレ傾向が高くなる。
結果として、国債の金利が上昇し、大きな借金返済が必要になる。
「貿易相手国を犠牲に、日本の経済成長を促進する近隣窮乏化政策である。(全米自動車政策会議会長)」

これ以上借金を増やさない「小さな政府」への大きな転換が必要です。