巻頭言

【巻頭言】今回の参院選の問題点

いまさら選挙について書くのは心苦しいが、月1回の発行なのでご容赦を。しかし、この内容は、ぜひ記憶に留めてもらいたい。

 

●選挙結果

 「TPP、原発、改憲」に対して警鐘を鳴らし続けたが、結果は「TPP、原発、改憲」を推進しようとする自民党が圧勝した。

今回の選挙も、昨年の衆議院選挙と同じ問題が起こった。

得票率48%の与党が70%の議席を取り、

得票率52%の野党が30%しか議席が取れなかったのだ。

理由は、野党が乱立したことで票が割れ、共倒れしたためだ。

昨年の衆議院選挙と同じ理由、同じ結果だった。

なぜ、昨年の失敗から学ばず、同じ失敗を繰り返したのか。

つくづくその愚かさ、その知恵の足りなさが情けない。

 

●今回の参院選の総括

1.マスコミの世論誘導

最近の日本の報道は政府批判が弱く、どのメディアもまるでNHK(国営メディア)のように、選挙前から「自民党の圧勝」、「ねじれの解消」と連呼、情報操作や世論誘導をしていたことは大きな問題だ。

①政府の方針(TPP、原発、改憲)の問題点を報道せず

②アベノミクス(安倍のリスク)の利点ばかりを報道した

③「参議院のねじれ」を解決すべき課題のような報道をした

 

2.各党の作戦

①自民党は真の狙い(9条、原発)に触れず、経済効果ばかりを自画自賛

②野党は与党の問題点を追求せず、主義主張に終始

③大野党(民主、維新、みんな)は論点が不明確

④小野党(緑、みどり、社民、共産)は論点は明確だが、バラバラだった

 

3.「ねじれ」は必要

参議院は「良識の府」と呼ばれ、本来の役割は「衆議院のチェック」だから、今回の結果は、国民にとっても決していいことではない。

ドイツの脱原発を決定した倫理委員会は、政治家だけでなく、倫理学者、哲学者、神学者、自然科学者、経済学者、司教などの専門家で構成されていた。

だからこそ、未来を見据えた重要な決定ができたのだ。

参議院も本来、そうあるべきものなのだ。

現状の参議院は、党議拘束により、衆議院と同じ議論、同じ決定しかできないから、経費と時間の無駄。現状のような参議院は無い方がいい。

参議院は、少なくとも「党議拘束」は無くさなければいけない。

 

4.野党再編が必要

今回、大きな野党(民主、維新、みんな、生活)は公約がぶれた。

小さな野党(緑、みどり、社民、共産)はぶれなかったが、協力、連合なし。

こんな野党乱立のままでは与党を正すことはできないし、民意を反映することができない。

 

 今後、野党は「TPP、原発、改憲」反対で大同団結すべきだ。