【巻頭言】ベトナム視察
7月末から1週間、事務局スタッフの渡辺さんとベトナム視察に行った。
毎日の感想は『地球村』ブログにあるので見ていただきたい。
ベトナム戦争から40年、ベトナムは順調に発展しているとされている。
ホーチミン市の中心には68階建(262メートル)の超高層ビルが建ち、40階建の高層
マンション、5つ星のホテル、高級ブランド店が建ち並ぶ。
しかし、そのすぐ隣には粗末な店が密集、その格差は大きい。
もっとも衝撃を受けたのは戦争証跡博物館だった。
(ホームページ: http://vietnam.navi.com/miru/2/ )
入口から入ると私たちの専属のガイド兼通訳のキエットさんが、
「ここでは通訳できません。写真と説明を見てください。カメラは自由です」と言ったので
(なんで?)と思ったが、意味はすぐわかった。
ここは広島の平和記念資料館と同じだった。訪問者はみんな黙って写真の前で佇み、
ゆっくりと歩き、ゆっくりと時間が流れていた。
写真とその説明の文字が静かに、しかし鮮烈に事実を訴えていた。
1、住民たちに銃を乱射した後、家と一緒に全てを燃やした。
2、飴を配り集まってきた子供たちの頭を打ち抜いて射殺した。
3、子供の頭を割り、首をはね、四肢を切断して火に放り込んだ。
4、女性や子供を井戸に落として、上から手榴弾を落として爆破した。
5、女性を強姦、若い女性は強制連行して従軍慰安婦として使った。
6、妊産婦は胎児が破れ出るまで軍靴で腹を踏み潰した。
7、住民たちをトンネルに追い詰めて、毒ガスを浴びせた。
ベトナム戦争のベトナム人の死者は150万人以上。米側の死者は5万人。
30:1・・・この数を見れば、どんな状況だったか明らかだろう。
これは戦争ではない。無抵抗の人間の無差別大量殺人だ。
特に10年にわたる枯れ葉剤の散布や化学兵器の使用は、
現在も多くの犠牲者(障がい者)を生んでいる。
ここでは、日本では知られていない悲惨な現実が静かに語られていた。
訪問者は外国人の方が多かったが、みんな私と同様、深いショックを受け、
言葉もなかった。
★戦争は人を狂気に駆り立て、凶暴にする
★死の恐怖から逃れるために、残酷なことをする
★アメリカの戦争のポリシー
Burn all , Destroy all, Kill all.
殺し尽くせ、破壊し尽くせ、焼き尽くせ
・男は兵士になるから殺せ
・子どもは大人になると兵士になるから殺せ
・女は子どもを産むから殺せ
★武器を持つと使いたくなる
★敵を見つけると殺したくなる
多くの写真が、このことを物語っていた。
★戦争はしてはいけない!
★軍隊は持ってはいけない!
★武器は持ってはいけない!
多くの人に、このことを知ってほしい。
世界中の人々に、特にアメリカ人に、ここを訪ねてほしい。
ここだけではない。広島と長崎の平和記念資料館を訪ねてほしい。
日本の政治家にも、ここと平和記念資料館を訪ねてほしい。
アメリカは最悪のことをした。以前は武力によって、いまは経済によって。
TPPもその一環だ。そして平和憲法は絶対に改悪してはいけない。
今回のベトナム視察は予想以上に大きな意味があった。
このこと、日本の問題、平和の問題を強く訴えていきたい。
新たな講演テーマ「平和について」として、スタートしようと思う。
ぜひ、あなたも「平和の講演会」を企画してください。
(ご相談は事務局 講演担当 樫山まで)TEL 06-6311-0309 FAX 06-6311-0321