【環境トピックス】COP19:すべての国参加も温暖化対策後退の恐れ
2013年11月24日AFPほか
ポーランドのワルシャワで開催されていた国連気候変動枠組条約第19回締約国会議(COP19)が、2020年以降の地球温暖化防止の次期枠組みに向け合意、閉会した。次期枠組みに関する合意は、「すべての国が自ら決めた削減目標や行動計画を15年末のCOP21の前に示す」という内容だ。
会議では、中国やインドなどが、「共通だが差異ある責任」と呼ばれる原則を盛り込むように最終盤まで主張(地球温暖化に対する責任は各国共通だが、先進国の方がより重いという意味で、気候変動枠組条約にも明記されている考え方)。この主張は反映されなかったが、次期枠組みでの策定が「目標」ではなく「貢献」という表現に変わり、大きな妥協をせざるを得なくなった。そのうえ、日本が排出削減目標の引き下げを会議中に発表。このことが交渉全体の空気に悪影響を及ぼした側面は大きく、各国から批判が集中し、日本の交渉姿勢が問われる会議となった。
さらに、今回台風の被害にあったフィリピンのように、温暖化の影響を受けやすい国からは、喜ぶほどの成果はなかったという声があがった。途上国への資金援助についても対立が続き、被害国を技術や資金面で支援する「ワルシャワ国際メカニズム」が新設されたものの、その体制や任務などは3年後に見直すにとどまった。
今回の合意は、温室効果ガス削減で初めて先進国だけでなく途上国・新興国も拘束するものになるが、行動計画などを作ればよいとも受け取れる側面もあり、実現までにはさまざまな困難が予想される。
*「貢献」は、先進国にとって削減目標を意味し、途上国には取り組みを意味すると言う。