環境トピックス

【環境トピックス】一人一票への流れ止まる

2013年11月21日朝日新聞
 

「一票の格差」が最大2.43倍だった昨年12月の衆院選をめぐり、2つの弁護士グループが選挙無効を求めた計6件の訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷は20日、「違憲状態」との統一判断を示し選挙無効の請求は退けた。

各高裁判決は16件中14件を「違憲」と判断。うち2件は同種訴訟で初の「選挙無効」に踏み込んだ。「0増5減」に基づく新たな区割りを定めた法律が成立したことを前進と評価したことが理由とされる。格差を縮めるには、地方の議席を削り都市部に回すことだが、議席を失う議員の反対や、地方の声が反映されなくなるとの反発がある。ある裁判官は、最高裁が政治との関係を気遣ったのではないかと推測する。

三権分立の下、司法は法令が意見かどうかを審査する権限を持つことになってはいるが、最高裁長官や判事の人事は政治に握られているからだ。訴訟で是正を後押しすることが「限界」に来ている。

裁判所が国民の方を見ず、政治との関係性に重きを置いた今回の判決は、司法の責任を全うしていない。しかし、国民の無関心さが作り出したと考えることもできる。私たちは、政治に無関心であることをやめ、声をあげていかなければならない。