脱原発への道

エネ庁:原発新設資金8割温存

2013年12月15日東京新聞

原発新設のため経済産業省資源エネルギー庁が積み立てている資金が、福島第一原発事故後に会計検査院から大幅削減を求められていたにも関わらず、現在も539億円(約8割)程度残っていることがわかった。検査員の意見に法的拘束力はないものの、指摘に従い予算の使い方や制度を改めるのが通例だ。

この積立金は「周辺地域整備資金」といい、原発を新設する際、地元自治体への支払いに充てるお金で、国民が納める電気料金の中の、電源開発促進税が財源になっている。エネ庁は、原発事故後の2011年度当初も新設する原発が14基あると見積もり、1231億円を積み立てた。うち、500億円は原発事故対策費などに充てられた。検査院から「73億円に縮小すべき」と指摘があった後は、積み増しはなく支出のみとなっているが、検査院が求めた大幅な削減にはほど遠い。

会計検査制度に詳しい日本大の有川教授は「誠実な対応ではない。財政状況を考えればいったん国庫に戻すのが筋だ」と述べた。