スペシャル対談

2014年2月 前福山市議会議員、環境NPO代表 落合真弓さん

広島県福山市で、市民派無所属の市議として1期務め、現在は市民活動と自身のラジオ番組を通じて、「食とエネルギーの自立」「地域コミュニティの復活」「日本の原風景回帰」を伝えている落合さん。高木代表もラジオのゲストとして度々登場、みんなの幸せを広げる放送に協力しています。

 

ハードではなくハートで解決を。

高木 こんにちは。落合さんとのスペシャル対談は2度目ですね。前回、話題に出ていた「鞆の浦の開発計画」はどうなりましたか?

落合 知事がストップして、埋め立て架橋工事はせず、トンネルなど別の方法で解決しようということになりました。

高木 それは、落合さんとしては?

落合 埋め立て中止は、景観を守るという点ではよかったと思います。交通事情の改善には問題なのですが、「譲り合う心」という日本人が持っている大切なアイデンティティで解決していければ…と思うのです。公共事業やハードで解決しようというのは、少しさみしいなと感じています。まだ推進派は納得していないので、知事が話し合いの場を持って解決を図っている状況です。

高木 なるほど。いい悪いではなく、対立ではなく、みんなが求めるゴールはどこにあるのかを話し合っていけるといいね。

落合 そうなんです。みんな、「幸せに暮らしたい」、「いい環境を作りたい」と思っているはずなので、共通のゴールを話し合っていきたいと思います。

 

市民活動と、ラジオで活動中。

高木 落合さんの現在の活動について話してください。

落合 2012年4月に議員を終えて、フリーの立場で活動しています。以前に立ちあげた市民活動が3つあって、今も続けています。
1つ目は『ごみ5R推進本舗』、2つ目は『ぷくぷく』、これは手作りの環境人形劇を主体に活動していた市民活動で、今は食育や農業にスライドしています。
3つ目は『福山の地域福祉を進める会』といって、これは議員になってから始めた市民活動で、福祉のことを自分自身が勉強したくて立ちあげました。大学の地域福祉専門の先生に顧問になっていただいて、その先生に毎月お話を伺いながら、シンポジウムを開いて学習を続けています。

高木 そのシンポジウムはどのくらいの規模で?

 

落合 会員の定例会が毎月行われて、年に4回程、参加者30~100人くらいの公開のシンポジウムを開催しています。作業所のお茶菓子をつけて、地域のいろいろな人をまきこんで楽しく開催しています。

高木 じゃあ、3つの市民活動を続けていて、もう1つ始まったのがラジオなんだね。

落合 そうなんです。4つ目が毎週金曜日、『エフエムふくやまレディオビンゴ』の『ありがとうの広がる町』の放送です。高木先生にも毎月ご登場いただき、ありがとうございます。

高木 ラジオ番組を持つようになったきっかけは?

落合 この放送は昨年9月に始まったばかりで、私は初代キャスターということになります。局長さんから「落合さん、何か番組をやってもらえませんか」と言われたことがきっかけです。

高木 その番組とはどういう仕組みですか。

落合 「番組を持つには、スポンサーを連れてきて」と言われていて、今は1つのスポンサーがついている状態です。

高木 落合さんの出演料は?

落合 それはありません。私はボランティアです。スポンサーを見つける営業もしながら、番組構成もして、パーソナリティもしています。

高木 それは大変だね。

 

食とエネルギーの自立を目指す。

高木 ところで、リスナーはどれくらい?

落合 結構いらっしゃるんですよ。カウントはできませんが、当日の講演会の告知をしたら、その放送を聞いて4人の方が来場されたこともありました。

高木 地域FMでも、最近はインターネットでも聴けるんだよね。

落合 はい。ウェブラジオとサイマルラジオで配信されていて、実は世界中で聴けるんです。いろいろ大変なことも多いのですが、番組を始めた理由の1つは、みきちゃん(今月の『きっかけは地球村』に登場の峰松美紀世さん)と知り合ったことです。みきちゃんが「日本の原風景を伝えたい」と話しているのを聞いて、「彼女と一緒ならやってもいい」と思ったことが大きいです。

高木 議員時代と比べて、心境の変化はありますか。

落合 まず、気持ちが楽になりました。議員は市民活動上の制限やプレッシャーもあるのですが、それが無くなって今は自由に動けています。

高木 議員はいい経験だった?

 

落合 それはもう、本当にいい経験でした。全国でいろんな方とお知り合いになれ、いろんな情報を得ることができました。4年間の議員生活の中で、自分の方向性というか、要るものと要らないものの整理ができました。「食とエネルギーの自立をしていかないといけない」、「地域コミュニティの力をしっかり付けていかないといけない」そのことがハッキリしました。

高木 本当に、その通りだと思う。その方面の活動は何かしているの?

落合 『ぷくぷく』の仲間たちと耕作放棄地を使って、自然農法で240キロくらいのお米を収穫しました。

高木 へえ! どのくらいの広さの田んぼ?

落合 6畝(せ)です。草取りも一生懸命して、JAでお米の品質を調べてもらったのですが、なんと1番いい等級でした。生ごみをたい肥にして、土づくりする「菌ちゃん野菜」作りもしています。「菌ちゃん野菜」は虫も来ず、すごくおいしくので、皆さん、ビックリして「菌ちゃん野菜」作りの仲間が増えています。今、パートで週に2、3日くらい通っているデイサービスで、できた野菜を使った料理を出したら、利用者さんが「いつもの野菜と違う!」ってわかるくらいでした。「来年はもっと農業に力を入れて、福島にも送りたいね」って仲間たちと話をしています。

高木 ほう! すごいね! 活動の他に週2、3回、デイサービスにも通っているの?食とエネルギーの自立に向かって、着実に歩いているんだね。これからもラジオと農業と市民運動と、ますます頑張ってください。

落合 はい。ありがとうございます。


■ブログ「落合真弓の直言・箴言」

http://blogs.dion.ne.jp/m_ochiai/

■エフエムふくやまレディオビンゴ「ありがとうの広がる町」

http://fm777.co.jp/pc/index.html

視聴はウェブラジオかサイマルラジオのバナーをクリック。