環境トピックス

【環境トピックス】福島第一:汚染水漏洩、放射性物質2億3千万ベクレル検出

2月20日毎日新聞ほか

20日、福島第一原発の放射性物質を含む汚染水を保管する「H6」と呼ばれる地上タンク群で、高濃度の汚染水がタンク上部から漏れ、堰の外へ流出した。漏洩量はおよそ100㌧と推計され、ストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり、2億3千万ベクレル検出された。タンクは海から離れた地点にあり、海への流出はないと東電は説明している。

タンクは簡易性の「フランジ式」とよばれるもので、19日午後パトロール中の作業員が発見、漏れた水の表面線量を測定したところベータ線で毎時50ミリシーベルトを計測した。隣接するタンクに水を移す作業を行い、発見から6時間余りで漏洩が止まったことが確認されている。

原因は、汚染水の移送作業の過程で別のタンクに移送するはずだった汚染水が誤って回り込んだためだという。また、汚染水を移送する配管の途中にある1つの弁が故障していた疑いがあるほか、本来閉まっているはずの別の2つの弁が開いていたと東電は説明している。原子力規制庁は、放射性物質がしみこんだ土の回収と同じタイプのタンクに漏洩がないか早急に調べて報告するよう東電に指示した。

福島県沖で試験的な漁をおおなっている地元の漁業関係者からは不安の声が上がっている。人為的ミスの疑いもあり、複合要因が事態を深刻にした構図がうかぶ。東電の汚染水対策が改めて問題視されそうだ。