巻頭言

【巻頭言】平和について

私はいま本を書いています。タイトルは『平和の作り方』。
いま日本は戦後で一番、危険な方向に向かっている。
東京都知事選の結果次第だが、「脱原発」か「原発推進」か、
自衛隊の集団的自衛権の容認問題、尖閣諸島をめぐる日中韓の関係悪化、沖縄の普天間飛行場、辺野古埋め立て問題など、問題が山積している。
これらはほとんど安倍総理の思想によるところが大きい。
このままでは日本は、海外から見ると軍国主義の独裁国家になり孤立する。
今年は『平和』の話題が増え、私も『平和』の講演を増やしたい。
 
平和とは、国防に限らず、原発やTPPから、個人の生き方まで含みます。
だからその一環として、軍隊をなくした国、コスタリカを見てきます。
帰国したら、『平和』についても講演を広げていきたいと思います。
 
いま書いている『平和の作り方』から、その一部を紹介します。
 
★おかしいと思いませんか
ドイツは、第一次大戦、第二次大戦で欧州各国を敵に回して戦った。
アメリカとも戦った。ナチスはひどいことをした。特にポーランドやユダヤ人に。
しかし今、ドイツは近隣国と敵対していないし、アメリカに対しても遠慮もしていない。近隣国ともアメリカとも対等に意見を述べ、対等に話し合っている。
 
★一方、日本はどうだろう。
未だに近隣国と対立し、相手国でも反日運動が続いているし、戦後69年たった現在でも反日運動は激化している。アメリカに対しても、未だに服従の姿勢で、まるで植民地か敗戦国のような態度をとっている。
イギリスにもフランスにもドイツにも遠慮し、堂々と意見を述べられない。
総理は外遊やサミットから帰国して「私はこう言った、相手はこう答えた」と発表するが、毎回、相手国から「そういう発言はなかった」と否定されるケースが多い。
★戦犯者の墓
 先にも述べたが、同じ敗戦国のドイツでは、軍人墓地とは別に戦没者追悼施設を置いている。そこは「戦争と暴力支配の犠牲者のための国立中央追悼施設」とし、戦犯は含まれてはいない。
 ドイツにも戦犯の家族や遺族がいるが、ドイツが新たに国際社会の一員として進むために、必要なこととして受け入れたのだろう。
 
★日本は未だに戦争を引きずっている。
 日本の政治家は未だに戦争を引きずり、アメリカにコンプレックスを持ち、白人全体にコンプレックスを持ち、一方ではアジア人に対しては尊大な態度をとっている。総理は「愛国教育をしよう」と言っているが、その前にやることがある。
 政治家が誇りを持つこと。大人が自信を持つこと。その方がはるかに大切だ。
 さらに、歴史を正しく教えること。
 日本の歴史はいつも縄文時代や奈良時代、聖徳太子から始まり、近代史は教えない慣習があるが、これからは現代史からはじめ、江戸時代にさかのぼり、平安にさかのぼる方がいいのではないか。
 
★未来のビジョン『平和立国 日本』
 現在、すでに軍隊を持たない国は27カ国ある。
 ここに日本が加われば、世界に大きな衝撃と勇気を与えるだろう。
 『平和立国 日本』の作り方
 1.「10年後、日本は軍隊を廃止、平和立国になる」と宣言する
 2.防衛省を段階的に平和省へ改める
 3.平和省、その前段階の組織で平和外交を開始する
 4.自衛隊を段階的に「防災隊」に改める
 5.安保条約、米軍基地を段階的に縮小する
 6.世界へ、国連へ、『地球市民国連』構想を提示
 
今年は、そういう『平和の作り方』についてガンガン話したい。
            連絡は講演担当まで。(koen@chikyumura.org)