地球は今

【地球は今…】共生社会をめざして③ ~日本は子どもの福祉後進国?!~

昨年12月号で、世界と比較してみると日本では子どもの福祉が尊重されていないことがわかりました。日本の子どもが今どういう状況にあるか調べてみました。

★日本の子ども6人に1人が貧困状態★ 「貧困」の考え方は大きく分けて2つあります。

◇「絶対的貧困」生活できる最低水準を下回り、食べ物にも困る状態。
◇「相対的貧困」その地域のふつうの人が入手できるものが入手できない状態。

この考え方を元に算出された貧困率を元にすると、日本の貧困率はアメリカ・トルコ・メキシコ並みで、加盟国の平均よりも多いです。                      


☆各国の対策☆
グローバル化が進むと格差は拡大するので、それを補うために、各国では税や社会保障を通じて、子どもたちがより平等な環境で育つことができるような政策がとられています。欧米諸国では特に子どもに対する福祉政策に積極的に取り組んでいます。

◇既に社会保障が充実しているEU諸国では、よりよい未来のために「子どもの福祉は社会全体の問題」と考え、対策に講じています。

*2013年、日本でも「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が国会で成立しましたが、貧困率削減の数値目標などは見送られてしまいました。

 

★子どものための公的な対策★
☆教育機関への公的支出

◇フランス:就学前教育費 94%公的支出(日本:4割以上家庭負担)
◇英国:「1に教育、2に教育、3に教育」。貧富の拡大と高い失業率に悩んだブレア元首相の重点政策⇒幼児教育への支出倍増、5歳から義務教育(2009年公的支出が5.3%に)

*安倍内閣の「第2期教育振興基本計画」では、OECD諸国並みという目標は財務省の反発で見送られてしまいました。
☆子どもの虐待への対策

厚労省の調査で、2012年に把握できた虐待の件数は前年度から11. 5%増の6万6807件あり、子どもの虐待が日本で増加していることが分かりました。子どもの虐待によって、社会的にどのような損失が生じるか、国内初試算もこのほどまとめられました。

直接費用      日本             1千億円     

(児童相談所や   米国         33千億円(07年)出典:

児童養護施設など) オーストラリア     3千億円(12年)日本子ども家庭総合研究

◇人口が日本の2倍のアメリカ、0.2倍のオーストラリアと比べ、日本の対策費用は非常に少なくなっています。
*各国では、虐待によって子どもが被る後遺障害や社会不適合により生じる社会的コスト(生活保護の受給費・医療費・反社会的行為による社会の負担等)を事前に防ぐ予防手段として手厚い対策が取られています。

社会保障が充実している欧州では、すべての子どもたちがより平等な教育が受けられるような仕組みがとられています。自由と自己責任に基づく移民社会の米国も、次世代への投資に取り組んでいます。子どもたちが未来に希望を持てるように、子どもを真ん中にした社会保障策がとられることが、幸せな子どもが増えることにつながります。遠い国だけの問題としてではなく、日本の中にある貧困問題について、より多くの人が知っていくことで現状が変わっていくことに期待したいです。

参考文献:山野良一「子どもの最貧国・日本」、広井良典「持続可能な福祉社会」、
安部彩「子どもの貧困」、Web版子ども応援便りなど