【環境トピックス】なし崩しの原発回帰
4月12日朝日新聞
東京電力福島第一原発事故がなかったかのように、安倍政権は、民主党政権が掲げた「原発ゼロ」を転換する方針を正式に決めた。閣議決定した新たなエネルギー基本計画は原発を主要な電源のひとつとして、安全性が確認できた原発から再稼働することを明記した。「脱原発依存」の具体的な姿を見せないまま、原発回帰の姿勢を鮮明にした。さらに、高速増殖原型炉「もんじゅ」を延命し、核燃料サイクル政策を推進する方針も明記した。
再生可能エネルギーの分野では「今後3年で導入を最大限加速する」としているが、太陽光や風力ごとの導入の目標値などは盛り込まれず、この動きが加速するかどうかは見通せない。
福島の原発事故で故郷を追われた人らからは、怒りや疑問の声が相次いでおり、原発地元の不安は置き去りにされている。