巻頭言

【巻頭言】何度でも言う、集団的自衛権は許されない

6月10日、安倍総理は「閣議決定」に向けてアクセルを踏み込んだ。
公明党の抵抗に期待するが、これが読まれる頃には、どうなっているだろう。

★問題点
 憲法には、個別的自衛権、集団的自衛権という文字はない。
 しかし、これまでの政府は、1972年、田中内閣が示した政府見解
 「自国の平和と安全を守るための最小限の防衛は認めるが、他国への攻撃を阻止する集団的自衛権は憲法上許されない」としてきた。
 この指針は、非常に明確であり、国際的にも問題ないものだった。
 安倍総理は、集団的自衛権を認めようと躍起だが、これをやれば自衛と参戦の区別が分かり難くなり、実質的には平和憲法破棄となり、国際的にも大きな問題となる。
 例えば、政府が示す例には「アメリカ本土に向けた核攻撃を阻止する」とあるが、日本がこれをやるなら、アメリカを攻撃する国は日本も同時に攻撃するだろう。あきらかに日本をより危険に陥れることになる。
 また「日本人を救助したアメリカ艦船を守る必要がある」という例は、公明党が言うように、「個別的自衛権」で対応できる。
 無理な理屈をこねまわして集団的自衛権を容認する必要はないし、それをやるなら、ごまかさず正々堂々と「平和憲法を破棄する」と言えばいい。
 そうすれば圧倒的多数の国民が「NO! 」を突きつけるだろう。

★安倍総理のねらい
 「公明党を説得⇒閣議決定⇒衆議院で可決⇒参議院へ
  参議院で否決されても、衆議院で再可決すると成立できる」
 こういうプロセスで、年内に可決させたいとねらっている。
 日本には何のメリットもないが、アメリカとて実際の戦闘では日本の中途半端な武力行使は足手まといになり、ありがた迷惑だろう。