巻頭言

【巻頭言】STAP細胞

★万能細胞とは
STAP細胞もiPS細胞も万能細胞であり、万能細胞とは、ふつうの体細胞から、身体のさまざまな器官や内臓を作り出すことができる。

★もし成功すれば
・自分の体細胞から自分の様々な器官や臓器を作ることができる
・身体障がい、臓器不全、難病を直すことができる
・事故で身体に大きな損傷を受けても修復することができる
・臓器不全になったとしても臓器移植なしに臓器を正常化できる
・全身に応用できれば、老化を防げるかもしれない(不老)
・死亡を防げるかもしれない(不死)
・自分のクローンが作れるかもしれない(再生)
・生と死の境界すらなくなってしまうかもしれない

★STAP細胞
iPS細胞より製造がはるかに簡単だという。
iPS細胞は、普通の細胞内のDNAに複雑な操作を施すことで万能細胞を作ることができるが、その操作が難しく成功率は低い。
STAP細胞は、普通の細胞を弱酸性の液に触れさせるなどの操作で作れるとされているから、簡単で、コストも大幅に安くなると期待される。
万能細胞自体、画期的な発明で人類の将来を大きく変えてしまう可能性があるが、STAP細胞は、それに加えて簡単にできるという驚異的な発見となる。

★論文発表後の経過
・世界で大反響、大きな注目を浴びたが・・・
・「論文通りの実験をしたが再現できない」
・「もっとも重要な写真に不正がある」
・「元となる博士論文にも大きな問題がある」
・理研が「写真に不正や捏造がある」と認定、論文の取り下げを勧告
・共同著者の一人が、「重大な問題があった。取り下げに同意」
・共同著者の一人は、「ミスがあるが結論は変わらない。取り下げには反対」
・小保方さん自身は、「悪意はない。STAP細胞は存在する。取り下げはしない。理研は再審査を」と不服申し立てをした。

★記者会見
小保方さんが涙ながらに訴えた2時間半。
「写真は見やすく加工しました。写真は取り違えました。これは単純ミスであり、悪意はありませんでした。不正も改ざんもありません。200回以上成功しました。STAP細胞は存在します。証拠もあります。名前は言えませんが、他にも成功した人がいます」

科学的な発見は客観的な証拠によって立証しなければならないし、再現できなければならない。重要な写真を、加工や切り貼り、別の写真を使うことは不正とされる。「不正」というのは「正しくない」ことであって、「悪意」があるかどうかは関係ない。また200回以上成功していて、証拠もあるならば示せばよかったのに、2時間半の会見では、具体的な説明も証拠の提示もなかった。
「現代のベートーベン」佐村河内守氏の「謝罪会見」と似た構図だった。
不思議なのは、上司や共同研究者全員が、これほどのミスを見過ごしたことと、これほどの大発見を、理研としてクロスチェック(他のグループとの討論)もせず、責任ある確認もせず世界に発表したことだ。

★理研がいますぐやるべきこと
STAP細胞の有無を検証することだ。もし存在するならば、早急に基本特許と周辺特許を押さえることだ。理研に残されているマウスの細胞のDNA検査(次世代シーケンサー)をすれば1ヵ月で検証できるはずなのに、なぜ1年かけて「ゼロから実験する」という悠長な方法をとるのだろう。
「200回以上成功した」という小保方チーム、他の理研チーム、東大など他の研究機関の複数チームで検証を急ぐべきだ。
これほど重要な問題では、ゴタゴタで時間をロスしてはいけない。