地球は今

【地球は今…】集団的自衛権とは?

安倍政権が進める集団的自衛権についての憲法解釈の変更。そもそも集団的自衛権とは何か、についてまとめた。 (事務局 渡辺)

【自衛権は2種類】
●個別的自衛権
 他国からの武力攻撃に対し、武力行使(阻止・排除)する権利
●集団的自衛権
 (自国と密接な関係にある)他国に対して武力攻撃があった場合に、自国が直接に攻撃されていなくても、武力行使(阻止・排除)する権利

【自衛権や自衛隊についての、政府の解釈】

●日本国憲法9条(平和憲法)には次の3つのことが書かれている
「戦争の放棄」、「戦力の不保持」、「交戦権の否認」
●この憲法に対し、これまでの政府は
・主権国家として自衛権を否定するものではない
・防衛の方針は専守防衛
・自衛のための必要最小限度の実力は「戦力」には該当しない
として「自衛隊」を容認してきた。
●自衛隊とは?
・他国の侵略から、国民の生命と財産を守るための組織
・年間の予算が3兆8900億円(世界第8位)
・国際法上は軍隊と考えられている

 

全世界の軍事費の4割を占めている軍事大国アメリカへの攻撃に、日本が対処や武力行使すること自体、非現実な議論と言わざるを得ない。

 

【集団的自衛権のはじまり】
第2次世界大戦後に作られた国連憲章の第51条に、国が持っている権利として明文化。国連安保理で拒否権の発動などにより、国連加盟国が共同で強制介入ができなくなったような場合、周辺国などが共同で防衛するための法的な根拠として作られた。

【これまでは集団的自衛権をどう考えてきたのか】(防衛省ホームページより)
・国家は、集団的自衛権を持っていると国連憲章にも書かれている。だから、日本も国際法上は集団的自衛権を持っている。
・しかし、憲法第9条によって、専守防衛(必要最小限)に留めるべきで、他国への武力攻撃に対する武力行使(集団的自衛権)は憲法上許されない。
としてきた。

【集団的自衛権の行使の事例】
集団的自衛権を行使した場合、国連に報告することになっている。
●これまで国連に報告のあった事例
・ハンガリー動乱(1956年)ソ連の実質的支配を拒むハンガリー市民の革命をソ連が軍事介入。数千人を虐殺。25万人が逃亡
・ベトナム戦争(1965年)ベトナムの共産化を防ぐための米国の侵略戦争に、豪州、ニュージーランドなども軍事介入。
・アフガニスタン侵攻(1979年)ソ連がアフガニスタンへ派兵。軍事侵攻で政府首脳を親ソ派に刷新。
・湾岸戦争(1990年)イラク・クウェート危機で、米国、英国、アラブ連盟諸国がイラクに対して武力行使。
・アフガニスタン紛争(2001年)米国同時多発テロ後に英国、仏国、豪州などNATO諸国がアフガニスタンへ軍事侵攻

これらの事例からわかるように、第2次大戦後、大国が小国へ軍事侵攻する口実として集団的自衛権が使われてきました。日本が集団的自衛権を認めるということは、戦争ができる軍事大国を目指すということと同じです。