巻頭言

【巻頭言】広島の大災害に思う

今年8月、広島で豪雨と山崩れで大きな災害が発生した。
3週間たった今、死者73名、不明1名。自宅に住めない人100名以上。
記録的な大被害で言葉もない。被災者の方には心からお悔やみを。
今回の災害を振り返り、今後の心づもりと覚悟について述べる。
 
★今回の原因
直接の原因は集中豪雨だが、今後こういう事態は増える。
・山裾を削った斜面に住宅があった
・この地域は、雨で崩れやすい「まさど」が多かった
・山には杉の植林が多く「保水力」が低下
・1時間当たりの降雨量は100ミリ以上と限界を超えていた
・この結果、この地域だけで166ヵ所の崖崩れ・土石流が起こった
・避難警報発令は、山崩れの1時間後だった
 
こうして原因を書き出すと、今回は人災の面が大きかったことがわかる。
・こういう場所を開発し(山裾を削り)、住宅を建てた業者の責任
・その開発を許可した自治体の責任
これらの対策や改善を行政に求めることも必要だが、現実面では難しい。
自然環境に恵まれた住宅を探している人にとっては、ここは掘り出し物だったかもしれない。なにしろ森を切り開いて新築住宅があるのだから。
実際、東京から移住した人もいたし、新婚カップルもいた。老後の家庭菜園を楽しみたい老夫婦もいた。痛ましいエピソードがたくさんあった。
 
★自分の身は自分で守る
今後こうした事態は必ず増えるから、住居を冷静に点検し、土砂崩れ、洪水、津波、原発事故など最悪の事態を想定して危険と判断すれば、防災策を打つか、転居するかを決断しなければならない。
その際、もちろん専門家に相談することが必要だ。