巻頭言

【巻頭言】ノーベル平和賞

今年のノーベル平和賞はパキスタンの少女、マララ・ユスフザイさん(17歳)だった。ノーベル賞6部門を通して最年少だった。
発表直前には「日本の平和憲法が候補のトップに!」という情報が流れたので、日本では多くの人が注目し、期待していたので残念といえば残念だが、彼女の受賞は素晴らしいことだ。

ノーベル賞は理論や発明の発見が実証され、効果が認められて初めて受賞するものだが、最近の平和賞はオバマ大統領のプラハ宣言(核兵器ゼロ)のように言っただけで受賞するケースもあり疑問視されていたが、今回のマララさんの受賞は非常に納得できるものだった。
 
マララさんは11歳の時、BBC放送のブログにペンネームで投稿、タリバンによる女子校の破壊活動を批判、女性への教育の必要性や平和を訴える活動を続け、欧米から注目された。パキスタン政府は彼女の本名を公表、「勇気ある少女」として表彰した。その後、講演会で女性の権利などについて語っていたが、そのことでタリバンから命を狙われる存在となる。
2012年10月、中学校のスクールバスに乗っていたところをタリバンに襲われ、頭部と首に計2発の銃弾を受け、イギリス・バーミンガムの病院へ移送され、手術が成功、奇跡的に回復したが、現在もタリバンから命を狙われているのでイギリスで通学している。
2013年1月ボーボワール賞を受賞。
2013年7月国際連合本部で演説「銃弾では行動は止められない」として教育の重要性を訴えた。国連はマララの誕生日である7月12日をマララ・デーと名付けた。
2013年10月サハロフ賞を受賞。オバマ大統領に面会した時は、アメリカの軍事介入を批判、無人機を使ったテロ掃討作戦をやめるよう求めた。


★マララさんのスピーチ
・この賞を受ける初めてのパキスタン人、初めての若い女性であることを誇りに思います。
・この賞を受賞する私たち2人は、出身はインドとパキスタンであり、ヒンズー教とイスラム教を信じています。
・肌の色、言語、宗教の違いを超え、女性の権利、子どもの権利、すべての人の権利のために戦うべきです。
・女性は男性と同じ権利を持ってもいいのです。
・私には、「黙って殺されるか、声を上げて殺されるか」2つの道しかありませんでした。だから私は声を上げたのです。
・私は普通の女の子の一人でしたが、学びたかった。夢を実現したかった。夢は医者になることでした。しかし、学校に行けないと聞いた時、夢は実現できないんだなと思いました。だから声を上げようと決めたのです。
・自分の経験を通して、権利のために立ち上がらないとダメだよと伝えたいのです。誰かを待っていてはダメなんです。
・誰も声を上げないときに声を上げれば、その声は大きく響き、みんなが耳を傾けざるを得なくなるのです。私のメッセージはこうです。「万国の子どもたちよ、権利のために立ち上がれ」
・先ほどインドのカイラシュさんと電話で話したのです。インドとパキスタンは緊迫し私たちが望まない方向に進んでいます。とても悲しいことです。そこで2人で決めました。カイラシュさんはインドの首相に、私はパキスタンの首相に、ノーベル平和賞の授賞式に出席をお願いすることを約束しました。
全文:http://www.asahi.com/articles/DA3S11398927.html

平和賞を若い女性が受賞したことは素晴らしい。
その活動、その勇気、その目的、その方法、すべて感嘆に値する。
一方、日本の平和憲法は、いま安倍総理の間違った動きで廃止されかねない。そうならないように、平和を求める人たちは「平和憲法を守る行動を起こさないといけない。ぜひ、「マイPJ」に参加を!