スペシャル対談

2015年2月 環境漫才師 林家 ライス・カレー子さん

林家ライス・カレー子は夫婦漫才コンビ。環境、社会福祉、防災、防犯の問題など、難しい話も頭の痛い話も、笑いに変えてまじめに伝えてくださっています。なんと、『環(わ)のくらし応援団』で環境カウンセラーの資格を持つ、環境省推薦の漫才師でもあります。『地球村』とのおつきあいも長く、冗談と笑いでいっぱいの対談になりました。

 

環境漫才24年目!

高木 こんにちは。先日は関東『地球村』主催の講演会で環境漫才を披露していただきありがとうございました。『地球村』会員歴はかなり長いのですね。

ライス はい。長いです。私たちが環境漫才を始めたのが平成4年ですから。
カレー子 始めたばかりの時に、大阪で我々の環境漫才を先生が聞いてくださって、「環境をネタにするならこれを参考にされたらいいですよ」と、『地球村』の環境ブックレットをくださったんです。
ライス それ読んでビックリしちゃったわけ。こういう状態だったのかと。
カレー子 ビックリして、マイ箸もすぐに持ちました。
高木 ところで、環境漫才を始められたきっかけは何でしたか。
ライス 私の父親がボルネオで戦死だったので、何度か現地に墓参りに行ったんです。初めて行ったときはジャングルのデコボコ道だったのですが、行く度に道路がきれいになって、ジャングルが伐採され、今じゃハイウェイになっているんです。そのハイウェイを利用して、ますます木が切られていく...。
カレー子 木が切られていくのを見て、紙を大事にするようになったんですよ。
ライス 1枚の紙も大切に使う。1回目は書いて、2回目は鼻をかんで、3回目はトイレで使う。ただし、順番を間違えたらえらいことになります...といったネタを作るようになって。
カレー子 私の場合は、子どもの教育からなんですが、子どもが小学生の時に焼却炉を見学に行って、ゴミの分別が必要だということが切実にわかったんです。お互いに環境問題を知るようになって、環境漫才として形になったのが平成4年だったんです。
 
 
 
幸せになれる方法ABC!
高木 ところで、お二人の漫才は、環境問題ばかりじゃないんでしょう?
カレー子 そうなんです。防犯や防災、交通安全や健康、すべて環境とつながっているんです。それがわかってきたので、社会派漫才ということで、すべてをお話しています。
高木 そこに『地球村』の影響はありましたか。
カレー子 もちろんです。「むさしのエコ・アップ協議会」というのを立ち上げているんですけれど、そこで毎月、教材として『地球村通信』のトピックスを全員に配って、エコクッキングの前に30分ずつ勉強の時間を設けているんですよ。
高木 そういう社会貢献活動もされているんですね。
ライス そうなんです。社会参加は大切ですから、認知症にならない方法というのも漫才に入れています。1つ.一生懸命に歩くこと。2つ.地域社会に尽くすこと。ボランティア活動をすること。3つ.生涯学習をして、夢と希望を持って生きること。僕は今73歳なんですよ、見えないでしょ。
カレー子 どう見たって72歳。
ライス そして4つ目は、帽子を被ること。
ライスカレー子 これが本当の、ボケ防止。
高木 あはは、対談だか漫才だか、わからなくなってきたなあ。
ライス 先生。ついでにもう1つ「幸せになれる方法ABC」を聞いて。
カレー子 A当たり前のことを。Bバカにしないで。Cちゃんとやる。これはいいでしょ。いらない電気は消す。当たり前でしょ。ムダなテレビも消す。水も必要以上に出さない。暖房便座の蓋は閉める。そういう日常生活のムダを、バカにしないで、ちゃんと実行。
ライス 漫才の中で「これ、みなさん、覚えたかしら」と言ってお客さんにABCを言ってもらうわけよ。
カレー子 それで、「どうして声を出していただいたかわかりますか。眠気覚ましです」。
ライス そうするとお客さんも笑って「ABC、ABC」といいながら、しっかり覚えて帰ってくれるわけよ。一つでも頭に入れてくれればうれしいですよねぇ、先生。
高木 そうですね。講演会でたくさん伝えても、持ち帰ってもらえるのは1つか2つがいいところです。
 
環境寄席にお越しください。
 

高木そういえば先日の講演会はいかがでしたか。
カレー子 エコ・アップ協議会の会長さんと一緒に伺ったんですが、会長さんが入会したんですよ。「会でももっと『地球村』の話をしていきたいね」という流れになってきました。『地球村』から受けた影響を自分たちで消化して、『地球村』をベースに我々の方法で伝えるようにしていきたいです。
高木 それは大事ですね。会は何人くらい?
カレー子 20人くらいです。月に1回集まって、社会福祉協議会から予算も出ています。そこで少しずつですが、『地球村』のことを広めていきます。
高木 では最後に、これからの活動について教えていただけますか。
ライス 5月30日、ゴミゼロの日に、武蔵野公会堂で二代目・林家三平をゲストに呼んで、「第27回環境寄席」をやります。お金のない方は牛乳パック100枚で入場できますので今から紙パックを溜めてください。
カレー子 私たちね。この前、先生の講演を聞いて、1000円の価値を改めて認識したんですよ。1000円が外国では1か月分の食糧になると聞いてね、私たちにできる方法がないかなと思ったんです。そこで、『地球村』の会員さんが環境寄席に来てくださったら、1人につき1000円を『地球村』に寄付します。100人来たら10万円、ぜひ支援に使ってくださいと振込みます。こういう提案はいかがでしょう。
高木 それはありがたい提案です。こうした環境寄席を26年間続けてこられたことは素晴らしいなあ。これからも元気で続けていってくださいね。