巻頭言

【巻頭言】今回の人質問題

 今回の人質問題は、1月20日の動画メッセージ以降、湯川さん殺害、後藤さん殺害、パイロット殺害、リシャウィ処刑、ヨルダン政府の復讐空爆、総理の「憲法改正の方針」など、平和を望む人にとっては「最悪のコース」をたどったが、真逆の思想の人にとっては「ベスト」だったのかもしれない。

 私は『地球村通信』1月号で次のように書いた。
  「今年は予想外の大きな問題が起こるだろう。
   原因は安倍総理の個人的思想。対立は対立を招くだろう」
 残念ながら、それが的中した。
 
 総理は、過去の日本の戦争について、近隣国について、防衛について、平和ついて、かなり危険な思想を持っている。
 そのことを以前から危惧していたが、今回とんでもないことになった。
 このままでは日本は「テロ対象国」になり、国民は危険にさらされる。

●中東問題には関わってはいけない
 中東問題は長い歴史問題であって、日本は関わってはいけない。

★「十字軍の遠征」を含めた宗教戦争
 「十字軍の遠征」は数百年にわたり、キリスト教国がイスラム教国を侵略、多くの人命(300万人以上)と財宝を奪い、破壊を続けた。
 加害者は忘れたかも知れないが、被害者は絶対に忘れないのだ。
 米欧の軍事的侵略は、今もイスラムの人々にとっては「十字軍の侵略」であり、強い怒りを感じるのだ。
 そこに日本が関わるのは、とんでもないことなのだ。

★日本は変わった!
 イスラムの人々には、「日本は仏教国」「アメリカに攻撃された国」「それでも平和を守る国」、ある意味「自分たちと同じ立場の国」だったから親日だったのだ。
 その日本が、安倍総理になって好戦的になり、欧米の仲間入り!
 「日本は十字軍の仲間になった!」と反日感情を持つのは、「イスラム国」だけではない。

★オスマン帝国の崩壊と分割支配
 オスマン帝国は、現在のヨーロッパ、アフリカ、中東にまたがる巨大帝国だった。600年以上続き、多くの文化、多くの宗教を許容し、それぞれの部族長(カリフ、スルタン)が統治していた。
 ある意味、巨大な平和な帝国だったのだ。
 第一次世界大戦で戦勝国は、そこの巨大帝国を滅ぼし、勝手に線引きして分け合った。だから、この地域の国境は直線になっている。
 戦勝国は、そこを部族長に統治させることで、植民地支配をして石油の利権を独占した。
 中東問題は、そうした米英支配からの独立運動、反政府運動なのだ。
 「アラブの春」は市民の反政府運動の勝利であり、湾岸戦争、中東戦争は自由と独立運動への米英の反撃なのだ。
 中東の人たちもイスラム教の人たちも平和を求めている。
 日本が、アメリカを中心とする有志国連合(利益共同体)の仲間として中東戦争に参加するのは最悪なのだ。

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