巻頭言

【巻頭言】『宇宙船地球号』

昨年秋に出版した『宇宙船地球号はいま』は、お読みいただきました?
 もしまだならぜひお読みください。
 内容は、
 地球という宇宙船は長く旅を続けてきた。
 乗組員は2000万種を超える地球生物たち。
 最近いちばん新参者の人間がとんでもないことを始めた。
 戦争、環境破壊、環境汚染、さらには原発、核兵器まで作ってしまい、
このままでは破局が避けられない。
 と、そこまでを描いたのが『宇宙船地球号はいま』だった。

 いまその続編『宇宙船地球号のゆくえ』を書いている。
・破局の根本原因
・破局はどうすれば避けられるか
・どんな未来を望むか
 わかりきっていることだが、それをどう伝えればいいか、あらためてそこを考えている。いろんな方法があるから、何度も何度も書き直している。
 もしかしたら、これは私の最後の本になるかもしれないから、熱い思いでチャレンジしている。
 いま考えていることの一節を書いてみる。

●平和について
 誰もが「平和」を望んでいる。にも関わらず、戦争は続いている。
 先日、あんな簡単な「人質の解放」さえもできなかった。
 本当はどうすればよかったのか。
 あなたなら、どうしますか。
 手を止めて、「自分が総理ならどうしただろう」と考えてみてください。

★もし私が総理なら
 そもそも「対イスラム国との戦いに2億ドル支援」などしないが、事件後の対応について考えてみよう。
 
 私は閣僚、関係省庁と緊急連絡を取り、すぐさま声明を発表する。
 「人命優先のために、対イスラム国支援を中止する」
 「ヨルダン政府に、リシャウィの釈放をお願いする」
 これに対して、「テロに屈した」と責める人もいるだろうが、私は次のように説明する。
 「日本は平和国家。日本は人命を優先する。日本は、紛争には加担も関与もしない。日本は、国民を危険に巻き込まない」
 これに対して、「集団的自衛権はどうなっているんだ」と迫る国や責める人がいれば、私は国会で次のように問題提起をする。
 「今回の事件で私の考えは変わった。平和憲法を遵守し、集団的自衛権は見直そうと思う。さらに今後は、時の首相、時の政府が自分の都合で憲法の解釈を変更することがないよう、重要問題は国会議員の3分の2以上の賛成によって、十分な説明と議論のあとに国民投票で決する」と提案し、その信を問うために衆議院を解散する。

 私が真にめざすのは、
・キューバのような自由平等な社会、
・コスタリカのような非武装中立の国、
・ブータンのような謙虚で人間性豊かな国だ。

 「そんなメルヘンのような・・・」と言う人もいるかもしれないが、私は「新しい未来、新しい方法でチャレンジしよう」と呼びかけるだろう。
 それが本当の勇気。
 それが本当の平和な世界への出発なのだ。