【環境トピックス】
アメリカ科学アカデミーの紀要に、気候変動による海洋生態系への影響が報告された。報告によると、気候変動でうけた海洋の生態系への影響回復に数千年単位の期間が必要になるとしている。この研究は、アメリカカリフォルニア州沖で発見された3400~1万6100年前の海洋生物相の化石を対象に、最後の主要な退氷期に気候変動が生物に与えた影響を観察。この退氷期に極氷冠が融解した結果、海洋での低酸素エリアが拡大したと考えられ、ウニや貝類といった無脊椎動物の生物がほとんど消えていたことがわかった。海洋の酸素濃度の変化はわずかだが、影響は「海底の生物に劇的な変化と再編成」をもたらすほどであると推定される。将来の気候変動で、同様の影響をもたらす可能性があり、海洋生物の回復までには、数百年ではなく数千年かかる可能性があると警鐘を鳴らしている。
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