【地球は今…】なぜ飢餓はなくならないのか
なぜ、世界の飢餓がなくならないのか、その現状と原因を調べてみよう。
(事務局 渡辺裕文)
●食料供給の現状は
食料供給 (2011年、Kcal / 日)
上位3国
オーストラリア | 3,785 |
ベルギー | 3,771 |
アメリカ | 3,650 |
下位3国
パレスチナ | 2,013 |
ザンビア | 1,911 |
ソマリア | 1,715 |
・一人あたりの供給食料を、上位3カ国と下位3カ国の平均を比較すると格差は2倍。
・それぞれの国内でも格差があり、実態はもっと悲惨だ。
アメリカ:32%が肥満、15%が食料不足。
日 本 : 3%が肥満、16%が貧困。
・50年前(1961年)より供給カロリーは3割増えている。
1961年 2,228Kcal ⇒ 2011年 2,847Kcal
にも関わらず、食料格差(2倍)は変わっていない。
●食料生産は十分なのに
・2014年の世界の穀物生産は25億トン。
25億トン÷世界人口70億人=年間350キロ/人
生存に必要量は年間180キロ/人だから、平等に分ければ2倍あるのだ。
にも関わらず、10億人が飢え、毎日数万人が餓死している。
・問題は、食料の不平等な分け方なのだ。
●世界のGDPの現状
・一人あたりのGDPを、上位3カ国と下位3カ国の平均を比較すると格差は630倍
・世界の平均は10,564ドル。日本は38,528ドル。
・日本は世界平均の3倍以上
・上位国は日本の6倍、下位国は日本の1/100~1/300
・過去のデータ(1970年)では格差は150倍
43年で世界の格差は4倍以上(150倍⇒630倍)に広がったのだ。
●43年で格差は4倍以上拡大!
一人あたりGDP (1970年、ドル)
上位3国
モナコ | 12,096 |
アメリカ | 5,125 |
カタール | 4,928 |
下位3国 ※格差は150倍
ベトナム | 53 |
マリ | 51 |
ラオス | 42 |
一人あたりGDP (2013年、ドル)
上位3国
モナコ | 173,377 |
リヒテンシュタイン | 152,933 |
ルクセンブルグ | 113,373 |
下位3国 ※格差は630倍
マラウイ | 315 |
ブルンジ | 251 |
ソマリア | 133 |
●国連(UNDP)の格差の資料
国連は資産別に世界の人口を5等分し、
その最上位(富裕層)と最下位(貧困層)の所得格差を発表した。
近代経済以前 1倍
1820年 3倍
1870年 7倍
1920年 11倍
1960年 30倍
1990年 60倍
2000年 100倍
※現状の経済システムでは、経済格差は広がる一方である。
●飢餓の問題は、経済格差の問題
飢餓が警戒レベルの16カ国は、一人あたりのGDPが1000ドル以下の貧困国。
このうち、13カ国は重債務貧困国でもある。
飢餓問題の対策に、食糧援助も大切だが、それだけでは解決にならない。
私たち自身が、経済拡大をやめ、無駄を減らし、必要最小限の生活を目指すことが解決へつながる。
経済優先の生活を見直そう! |