【地球は今…】日本のランキング(経済、食料、エネルギー編)
国にとって重要な項目の世界ランキングを調べることで、日本の国の全体像や世界での位置づけを見てみよう。
(事務局 渡辺裕文)
●各国の経済指標(GDP) 3位(2014年、189カ国中)
過去42年間2位だったが、2009年に中国に追いぬかれ3位となった。
経済大国である日本が、他の重要な項目ではどうなっているだろうか。
●穀物自給率 125位(2011年、178カ国中)
先進国のほとんどは自給自足ができているが、日本は28%と極端に低い。
これは明らかに農業政策の大失敗だ。
温暖化、異常気象、人口増大、国際危機などで食料輸入が止まれば破局的事態が避けられない。
食料自給自足は不可欠であり、TPPによって農業を衰退させてはならない。
※先進国(OECD)34カ国中29番目。
日本より下位の国は、オランダ、イスラエル、アイスランドなど、土地が狭い、主食の栽培に適さない、などの国。
食料自給は国家の存立として最も重要。自給率の改善は急務である。
●エネルギー消費 5位(2012年、196カ国中)
●エネルギー自給率 130位(2011年、137カ国中)
日本のエネルギー消費は、中国、アメリカ、ロシア、インドに続いて世界5位。
一方、エネルギー自給率はわずか5%で世界130位。
日本より自給率が下位の国々は、ルクセンブルグ、シンガポール、レバノン、モルドバ、ヨルダン、キプロスなど、エネルギー消費が小さい国だ。
●原子力エネルギー
日本のようにエネルギー消費が多く、エネルギーの自給ができていない国はない。食料同様、再生可能エネルギーでエネルギー自給を上げていく政策が必要である。
20位(2013年、31カ国中) ⇐ 2位(1980年)
1980年には、アメリカに次ぐ原発大国であった日本。
東日本大震災以降、原発の稼働は減り、2013年は大飯原発3・4号機の再稼動分だけで世界20位となった。
日本に住む人の安全を考えるとこのまま再稼働はさせるべきではない。
(10ページのトピックス参照)
※2014年は、稼働した原発が全くないため、31カ国中最下位の見込み。
●再生可能エネルギー
9位(2012年、174カ国中) ⇐ 5位(1980年)
以前、日本の再生可能エネルギーは大規模ダム発電などで世界5位であったが、その後、先進国が脱火力、脱原発、再生可能エネルギーへ舵をきったことで、日本の順位が低下。
日本は原発再稼働ではなく、再生可能エネルギーを推進すべき。
●温暖化ガスの排出
5位(2012年、192カ国中)
中国、アメリカ、ロシア、インドについで世界5位。
●温暖化対策
53位(2015年、先進58カ国中) ⇐ 34位(2006年)
国際NGO欧州気候行動ネットが先進国の温暖化対策を比較したランキングでは、「後ろ向きな温暖化ガス削減目標」、「再生可能エネルギーを推進していない」ことなどで、58カ国中53位。
パブコメなど日本政府への意思表示が重要である。(トピックス参照)
日本は経済優先の結果、「国家の存立」に最も重要な食糧、エネルギー、環境を犠牲にしてきた。
いま政府が「国家存立の危機」として取り組むべきは、「集団的自衛権」などではなく、食糧、エネルギーの自給率の改善、環境保全であるは明らかだ。
あらゆる機会に意思表示をしよう。