地球は今

【地球は今…】憲法違反のTPP交渉

以前は「TPP交渉参加に反対」だった自民党政権は、今ではTPP合意に向けて熱心に交渉を進めています。
「集団的自衛権」だけでなく「TPP交渉参加」も公約違反、憲法違反の可能性がある。
今回はTPPは交渉の現状と憲法違反の根拠についてまとめました。

(事務局 渡辺裕文)

●聖域だった「重要5品目の堅持」が・・・

国会では、重要5品目(①コメ②小麦③牛・豚肉④牛乳・乳製品⑤砂糖)を聖域とし、関税撤廃を認めないと決議した(2013年4月18日)。
この決議には、さらに「ISD条項には合意しないこと」、「国会への報告や国民への情報提供」なども含まれていた。

●しかし、現状は・・・

政府からの「正式な報告なし、情報なし」の中で、「日本政府は重要5品目も含めて次々と譲歩を続けている模様」と報道されている。
例えば、(▼印は重要5品目)
 ▼コメ 無関税輸入枠を「大幅追加」
 ▼小麦 「関税」を45%引下げ、輸入枠を新たに設ける
 ▼牛・豚の関税も段階的「大幅引下げ」、
  ソーセージ材料の関税は「大幅削減」
 ・鶏肉、鶏卵は「関税撤廃」、ワインも「関税撤廃」
 ・5品目以外は「関税撤廃」の可能性も(こんにゃくや果物も)

消費者にとっては価格が安くなるが、
・国内産業(農家)は大きな打撃 ⇒ 食料自給率の低下
・農薬などの規制緩和の可能性が高い ⇒ 食の安全性確保の保障がない

最大の疑問は、TPPは誰のため、何のためなのか、という問題だ。

●TPP交渉の4つの大きな問題点

  1. ISD条項:日本の国内法で不利益を被った時、外国企業は国際裁判へ訴訟できる。 ⇒ ほとんど米国有利の判決が出る。
  2.  
  3. NVC条項:米国企業が日本で期待した利益を得られなかった時、 米国政府が企業に代わり、日本政府を提訴できる。
  4. ラチェット規定:一度ゆる めた規制は、問題が発生しても規制を戻せない。
  5. 情報公開しない:発効後4年 間、内容を秘密にする義務がある。

●医療分野では、薬や手術方法が知的財産として保護

米国の要求:特許期間が延長されるとジェネリック薬品が遅れ、安価な薬が入らなくなる。
さらに「診断・治療・外科的方法」が特許になると、米国で開発された手術や治療が独占され、特許料が必要となる。

●著作権では「非親告罪」の導入も

日本:著作権は、著作権者の告訴によって争われる。
米国:著作権者の告訴がなくても、検察、警察が訴追できる。
著作権者の考えと関係なく訴訟が可能、訴訟権が乱用される可能性がある。

その他、安全基準、環境基準、労働条件、医療保険、公共事業への参入など、日本のすべての制度が米国に統一される。
経済のグローバリゼーションも大きな問題だが、TPPは社会全体のグローバリゼーションである。

●TPP交渉は憲法違反!

多くの国民の権利が侵害されることになるため、憲法違反である。

  1. 生存権(憲法25条)「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」が侵害される。
  2. 幸福追求権(憲法13条)「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」が侵害される。
  3. 司法主権(憲法76条)各国の法律よりもTPP条約が優先される(ISD条項)のため、憲法を最高法とする日本の司法主権が侵害される。
  4. 知る権利(憲法21条)発効後4年間、内容が好評できないたね、国民の知る権利が侵害される。

「TPP交渉は憲法違反」として訴訟を準備している。
「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」(弁護士などが参加)には、『地球村』の高木代表も呼びかけ人となり、『地球村』も賛同団体に入っています。
あなたもぜひ、この活動に参加し、公約を破り、国民を裏切り続ける安倍政権に「NO!」を突きつけましょう。

詳しくは、「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」サイトへ