【地球は今…】安倍政権マニュアル
8月19日に山本太郎議員が国会で示した「アーミテージ・ナイ報告書」。
この報告書とこれ以前の報告書から、アメリカが日本に何を要求し、
安倍政権が何をしようとしているのか、についてまとめます。
●アーミテージ・ナイ報告書(第3次)とは
2012年8月にアメリカ戦略国際問題研究所が、アーミテージ元国務長官らが「米日同盟-アジアの安定のために」という報告書を発表。
この中には、アメリカから見た日本の課題、日本への政策提言が書かれている。
●アーミテージ・ナイ報告書(第3次)に書かれた日本への提言
【エネルギー政策】
- 原発の再稼働こそが正しい選択。
原子力政策でロシア、韓国、中国より遅れをとってはいけない。 - 石油輸入大国の日本は、中東の安定、イランの核開発疑惑などの国際社会の取組に積極的に関与すべき。
【経済・貿易】
- TPPへの交渉参加を強く求める。北米自由貿易協定(NAFTA)との包括的経済・エネルギー・安全保障協定を締結すべき。
農業貿易の拡大(貿易障壁の撤廃)が望ましい。
【隣国との関係】
- 日韓は歴史問題に向きあい、関係を改善すべき。
原子力、軍事的取り決めなどで協力を強化すべき。 - 中国の尖閣諸島、南シナ海への勢力拡大に対し、日米は対策を講じるべき。
【安全保障政策】
- 米軍と自衛隊は、陸海空軍連携の拡大について検討すべき。
(民間空港を使用した共同訓練、共同設備、防衛省の秘密保持の強化など) - 「武器輸出三原則」が変更された現在、防衛産業の協力を強化すべき。
- 日米両国ともに、サイバー攻撃に対するセキュリティを強化すべき。
- 日本の集団的防衛の禁止は同盟の障害。
軍事的により、積極的な日本にするために、平和憲法の改正をすべき。 - 自衛隊は、武力行使を伴う平和維持軍に参加できる法律に改正すべき。
なんと、安倍政権の政策は、すべてこの通りではないか。
安倍首相は国民の声は聞かないが、アメリカには絶対服従だったのだ。
なんとひどい首相、なんとひどい政治だろう。
●これまでのアメリカからの要求
【第1次報告書(2000年)】クリントン大統領⇒森首相
- 日本の市場開放が必要。
終身雇用など独自制度が足かせとなっている日本国内の規制緩和を推進すべき - 日本の常任理事国入りには、集団安全保障への参加が義務
⇒次の小泉政権下で様々な規制緩和が行われ、日本のアメリカ化が進んだ。
【第2次報告書(2007年)】ブッシュ大統領⇒安倍首相
- 日米自由貿易協定の締結、さらなる規制緩和、農業の自由化を推奨
- 危機管理や安全保障関係の行政組織の整備が必要
- 自衛隊改革や近代化、自衛隊の海外派兵の恒久法など
【日米構造協議、日米包括経済協議(1989年~2008年)】
毎年、発行される年次改革要望書によって様々な政策要求が行われた。
- 日本市場の規制緩和⇒大規模小売店舗法の見直しや公共事業の拡大
- 郵政民営化、銀行の不良債権処理なども
アメリカからの要求は、アメリカへの従属を強いる「提言」である
⇒明らかに内政干渉であり、日本の主権を脅かす大問題!
●「日本が一流国であり続けようとするなら」?
アーミテージ・ナイ報告書(第3次)では、「日本は世界の二流国になるつもりか。
日本が一流国であり続けようとするのなら、国際社会で一定の役割を果たすべきである」と書かれている。
しかし、それは「アメリカに追随すること」ではないはずだ。
平和憲法を前面に打ち出し、対話により紛争解決や紛争を未然に防ぐことも可能であり、コスタリカはその道を選んでいる。
また、明確な軍事力を否定している日本だからこそ、日本からの支援を受け入れている他国の人達も多い。
そもそも『一流国』とはなんぞや。
まずアメリカからの「独立国」となること、「主権国」となること、「信頼される国」となること。
そのためには、「平和憲法」を守ること、外交能力の向上が不可欠である。