地球は今

【地球は今…】どうなる?電力の自由化

今年4月1日に始まる電力小売りの全面自由化。
開放される市場規模は約8兆円。ここに140社以上が参入する。
私たちは自分の価値観やライフスタイルに合わせて、会社やサービスを自由に選べるようになる。
電力の自由化についてまとめました。(落合眞弓)

●どうして自由化?

★電力の独占体制は日本だけ。
そのことで「電気代が高い」「原発や火力、水力などに依存し、自然エネルギーが普及しない」などの不満があった。
原発事故によって電力供給への不満や不安が大きくなり自由化が加速した。

★高い日本の電気代
・電気を作り売る本体価格を見ると、断然高い日本のエネルギー
・ドイツは環境税などを課しているので税金部分が高くなっている。

電気料金の国際比較

  日本 米国 英国 フランス ドイツ 韓国
本体価格 25.9 11.9 20.6 12.2 18.5 9.8
税額 1.8 - 1.0 5.3 15.4 -
税率 6.5 - 4.8 30.2 45.5 -
合計 27.7 11.9 21.6 17.5 33.9 9.8


単位:セント/kWh ・ 米国・韓国は内訳不明
(2012年) 資源エネルギー庁資料などより作成

●電力自由化でどう変わる?

★安くなる
 ・使用量の多い家庭は5~10%くらい安くなる見通し
 ・大手電力会社も対抗して値下げ
★脱原発、脱火力を推進できる
★電力の地産地消がすすめられる

★多様化
・様々な会社140社以上が参入
ドコモ、au、Softbank、J:COM、東京ガス、大阪ガス、東燃ゼネラル石油、ENEOS、東急グループ、伊藤忠、ローソン、生協などなど

・多彩な料金プラン、サービスが選べる
通信料とセット、ガス・電気のセット割、運賃とセット、
電気代に応じてポイントが貯まる特典などなど

・時間帯別料金など、ライフスタイルに合わせた料金プラン
スマートメーターやアプリで電気料金、電気使用量などの
使用状態をリアルに確認できるシステム

●問題点

★電力構成(原発、火力、自然エネルギーなどの比率)の表示を義務付けていないため、市民が選択するときの基準がわからない。
★送電は自由化されていないから、参入会社の電力には送電コストが上乗せされるため、コスト競争に不利。
※託送料金は認可制で、1kWhあたり東京電力は11円43銭。
 (現在の電気料金は基本契約料と電力単価だけで、その内訳は公表されていない)

●今後の課題

・電力構成の表示義務
・送電線の自由化、無料化(電力会社から国が買い取るなど)
・二酸化炭素排出係数の表示義務
・1kWhあたりの二酸化炭素、放射性廃棄物の発生量の表示義務
・東西の周波数(50ヘルツ、60ヘルツ)のギャップの解消

●私たちにできること

・まずは節電!

「原発や化石燃料」 よりは 「自然エネルギー」ではあるが、自然エネルギーでも節電が必要。

・大手(原発、火発)を契約解除、自然エネルギーの比率の高い電力を選ぶ
・「多く使えば安くなるプラン」より「節電を促すプラン」を選ぶ
・「脱原発」の市民発電や地域発電を応援する
自然エネルギー供給をめざす電力会社一覧はこちら⇒http://power-shift.org/choice/