【地球は今…】生ごみどうしてる?
全世界では、生産された食料の3分の1で年間約13億トン、金額にして約7500億ドルが廃棄されている。
これら廃棄物の中には、まだ食べられるものも多く、「食品ロス」と呼ばれている。
私たちの価値観やライフスタイル、社会システムが膨大な食料廃棄物や「食品ロス」を生じさせている。
そこで、事業者や家庭で生ごみをどうしているのか、まとめてみた。 (落合真弓)
●日本の食品廃棄
(2012年度農水省推計より)
★日本の食料の2割の約1700万トンが廃棄されている。
★廃棄物処理の内訳
・飼料化・肥料化・熱回収されリサイクルされたのは約550万トン
・焼却・埋立などは1150万トン(うち家庭系は約850万トン)
●日本の食料廃棄物の中身
★食料廃棄物の中には「食品ロス」が年間約500万~800万トン
≒日本のコメ収穫量約850万トン(2012年度)とほぼおなじ
≒世界全体の食糧援助量約400万トン×約2倍
★京都市家庭ごみ細組成調査の結果、1世帯あたり「食品ロス」に要する費用はなんと65,000円!
食べ残した食品の購入費6万円
これらのごみの処理費5千円
世界の食料廃棄は (FOE報告などより)■先進国において消費段階の食品廃棄量(2億2200万トン)は、 サハラ以南アフリカの食料純生産量(2億3000万トン)に匹敵する。 ■1人当たりの「食品ロス」は、EUと北米は95-115kg/年、日本は40-70kg/年 ■サハラ以南アフリカや南・東南アジアは、たった6-1kg/年である。 ■栄養不足で5歳になる前に命を落とす子どもの数は年間500万人 |
●「食品ロス」の原因
食品ロスとなっているもの | 発生量 | |
食品メーカー | 定番カット食品や期限切れ食品等の返品・製造過程で発生する印刷ミス等の規格外品・過剰在庫等 | 300万トン~400万トン |
小売店 | 新商品販売や規格変更に合わせて店頭から撤去された食品・期限切れなどで販売できなくなった在庫等 | |
レストランなどの飲食店 | 客が食べ残した料理・客に提供できなかった仕込み済みの食材等 | |
家庭 | 調理の際に食べられる部分を捨てている・食べ残し冷蔵庫などに入れたまま期限切れとなった食品 | 200万トン~400万トン |
合計 | 500万トン~800万トン |
※定番カット食品とは...新商品販売や規格変更に合わせて店頭から撤去された食品のこと
★3分の1ルールによる食品ロスが発生
「3分の1ルール」とは、食品の製造日から賞味期限を3分割し、
「納入期限は、製造日から3分の1の時点まで」
「販売期限は、賞味期限の3分の2の時点まで」を限度とするもの。
下の表からわかるように、日本は最も無駄が多い。
以前から問題になっているが、いまだに改善されていない。
国 | 納品期限(賞味期限ベース) |
アメリカ | 1/2残し |
フランス | 1/3残し |
イタリア | 1/3残し |
ベルギー | 1/3残し |
日本 | 2/3残しが平均 |
●日本の課題
・納期期限(3分の1ルール)の見直し
・賞味期限・消費期限の見直しと、消費者の理解
・フードバンクへ寄付し、生活困窮者等の支援に活用
・食べきり運動、ドギーバック(持ち帰り)普及支援等
■世界の動き
EUでは2014年を「ヨーロッパ反食品廃棄物年」と位置付け、2050年までに食品廃棄物を30%削減し、食品廃棄物削減の国家戦略策定を提案
●私たちにできること
・必要量を把握し、無駄なものは買わない
・賞味期限の古いものから買う
・食事は作り過ぎない、調理の工夫(エコクッキング・皮ごと食べるなど)
・学校給食残渣を利用して学校農園作りなどを提案し、参加する
・生ごみを堆肥化して家庭菜園を楽しむ
・フードバンクなどボランティア活動に参加する