【地球は今…】原発問題
かつて「夢のエネルギー」「原子力の平和利用」といわれた原発。
2011年に起きた福島原発事故をきっかけに、世界は大きく脱原発に舵を切り始めた。日本は?
●小泉元首相の発言
★「原発は安全ではない。安価でもない。事故が起きれば大惨事。廃棄物処理は困難。
私が首相時代、間違った報告を受けて原発推進を続けたが、原発推進は間違っている。
できるだけ早くやめなければならない。首相が『やめる』と決めればやめられる」
★「私はそのことを何度も安倍首相に伝えてきたが、彼は返事をしなかった。
理由はわからないが、安倍政権では脱原発は無理だと思う」
●「原発ゼロ・自然エネルギー基本法案」
★1月 10日、原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟(原自連)が骨子を発表
- 運転中の原発を直ちに停止 / 停止中の原発は稼働させない / 新増設も認めない
- 核燃料サイクル事業からの撤退
- 太陽光や風力などの自然エネルギーに全面転換
自然エネルギーを 2030年までに全電力の 50%以上、50年までに 100%にする - 廃炉や地域の雇用創出などに国が責任を持つ
★脱原発のため、安倍政権以外の勢力や立憲民主党など野党と連携しすすめる意向
◎民間との間で脱原発を目指す連携が再び強まるだろう
●原発再稼働について
これまでの野党案は「福島原発事故の検証がないままの原発再稼働は認めない」だったが、この「原発ゼロ・自然エネルギー基本法案」は、はっきりと「即時原発停止」、「原発ゼロ」を目指し、そのための国の責任を明らかにした。
今後の選挙などでは「原発を即時ゼロか否か」で争点が明確化されるだろう。
●原発推進論者のウソ
★原発は高額
- 立地地域へ対策費(原発マネー)、メンテ、廃炉、使用済核燃料の管理や処分、被害者への補償などを含めると巨額すぎて計算もできていないが、国家予算以上になるだろう。
★安全神話はとっくに崩壊
- 地震列島日本で安全な場所は所在し得ないことは東日本大震災で証明されている
- 原発が自爆テロや北朝鮮のミサイルの標的になれば被害は甚大になる
- 一度事故が起きれば、土地が汚染され住むことはできない
★原発は「ダーティエネルギー」
- 原発は建設、ウランの採掘や濃縮、輸送、冷却、使用済み核燃料の処理、廃炉には膨大な CO2を出す。「温暖化防止に役立つ」というのは真っ赤なウソ
- 「核のゴミ」は処分の見通しもなく、増える一方。環境を汚染し続ける
- 生成されたプルトニウムや劣化ウランは核兵器に転用できる(現状で約 6000発分)
★原発がなくてもやってこられた
- すでに日本は原発ゼロを 2年間してきた。現時点でも原発の電力供給量は 2~3%
★自民党は脱原発の言葉と裏腹
- 2030年の電源構成は、原発を 20~22%のベースロード電源としている。それならば、原発 30基程の稼働が必要で、原発の依存度を下げるという公約と逆行
★日立が英国で進める原発事業に政府保証?
- もし事故があれば損害が大きすぎて民間では負担しきれないため、メーカーも金融機関も政府保証がないと輸出しない。事故があれば税金で賄い、国民が払う
★東芝は原発事業で経営破たん
- 米国での原発事業が大きく破綻
- それでも日本が原発をやめない理由は、政治家と企業、官僚の利権構造のため
●犠牲の上に成り立つ原発
★原発は危険だから過疎地に建設
- 政府・企業一体となり住人に札束攻撃。地域住民を分断
- 地域の農業・漁業等は軒並み空洞化。残ったのは高齢者とハコモノ
- 危険は過疎地に、事故の責任は誰も取らない
★原発の運転やメンテナンス、事故の後始末など危険な労働は孫請け、曾孫請け
★ウラン鉱石採掘は先住民が担い被爆。先住民居住地を放射能汚染
★便利快適のツケ「核のゴミ」は 10万年先の未来へ先送り
ドイツは倫理委員会を設置、「原発は技術問題ではなく、人類の存亡に関わる倫理、哲学の問題」として議論「原子力をやってはいけない」という結論を導き出した。 |
●安心・安全な未来のために私たちにできること
★「原発は即時ゼロ、自然エネルギーを推進!」の政党を応援しよう
★無駄を省き、節電を心がけよう
★グリーン電力を購入しよう
◎詳しくは、書籍『大震災と原発事故の真相』(P 14にて紹介)をご覧ください。