日本の2018年度予算は可決成立したが、安倍政権になって財政はさらに悪化した。
日本の財政の現状と根本問題についてまとめた。ぜひ知ってもらいたい。(落合真弓)

●日本の会計の根本問題

★一般に知られている「一般会計」とは別に、「特別会計」という裏の会計がある。
★特別会計は一般会計よりはるかに規模が大きい。（日本だけの異常な仕組み）
★特別会計は各省庁が権限を握り、財務省といえども実態や全体像がつかめない。
★そのために厳しいチェックができない。
★民主党政権は『事業仕分け』で問題を改めようとしたが、安倍政権が元に戻した。
★森友、加計問題も大きな問題だが、日本の会計の根本問題の一部にすぎない。

●一般会計と特別会計を累計すると（2018年度予算ベース）　　　　　

★2018年度は一般会計97.7兆円、特別会計388.5兆円で一般会計の4倍！
合計486.2兆円だが、一般会計と特別会計は重複があり、その144.1兆円を引くと342.１兆円。さらに借り換え償還額（借金を別の借金で返済）103.2兆円を控除すると
本当の歳出（純計）は238.9兆円だ。
これらの仕組みも金額も、国民は知らされていない。

●日本の危機的な財政

★国と地方の借金は1300兆円でGDP比2.4倍、主要先進国の中で最悪
★借金の1300兆円の利子の支払いは毎年9兆円超
★本来、税収だけでカバーすべき基礎的財政支出は、全くカバーできていない。
★自民党政権によって、こんなおかしなことが延々と続いてきた。

2018年度一般会計予算

• 歳入　税金と印紙収入 59兆円
• 歳出　基礎的財政支出（社会保障、地方交付金、公共事業、防衛など） 74兆円
• 不足　15兆円　（特別会計分、国債の利払い、償還費用は含まず）
• その結果、この15兆円の赤字と、特別会計などの隠れ借金を新規公債発行34兆円で賄っている。これが毎年、借金として増えていく

★それなのに、安倍政権になってからばらまきが増え、特に国防費は6年連続で増加、過去最大の5.2兆円。「北朝鮮に対抗するため」というが、外交努力はせず、米国からの武器輸入一辺倒。（それでもトランプ大統領には軽視されている）
※防衛費の一部を平和に回せば、国際関係は大きく改善するのに！

★このままいくと借金は増え続け、財政破綻は必至！

●消された真実

民主党の衆議院議員石井紘基氏は、特別会計問題や与党議員、官僚の腐敗に切り込もうとしたが2002年、決定的な資料を国会で暴こうとして暗殺され、書類は持ち去られた。そこには決定的な事実が書かれていたのだろう。

関連書籍が出版されている。お薦めだ！　　『日本が自滅する日 「官制経済体制」が国民のお金を食い尽くす！』　PHP研究所など

●財政健全化に向けて

★まず裏会計（特別会計）を廃止し、すべて表会計にして国民に見えるようにする！
★会計の全体像を見えるようにし、きびしいチェック、「事業仕分け」を再開する！
★累進課税、富裕層の増税など税制の見直し、格差の是正、アベノミクスの廃止！

●持続可能な社会のために…マインドセットを変える

★経済成長を求める日本の経済の仕組みでは、格差を広げるだけ
★GNP（国民総生産）よりGNH（国民幸福度）へシフトする 

◎詳しくは書籍『宇宙船地球号のゆくえ』をご覧ください！