【地球は今…】日本のエネルギー政策と安倍化する社会
第5次エネルギー基本計画の素案が示された。この夏には閣議決定される予定。今回は、日本のエネルギー政策の問題点と安倍化する社会について考えてみる。(落合眞弓)
●第5次エネルギー基本計画素案の内容 (『エネルギー基本計画』)
★原発と石炭火力は重要なベースロード電源(基本の電源)
★2030年の電源構成
原発比率20~22% 再生エネルギー比率22~24%(4年前の計画のまま改善なし)
★核燃料サイクル、プルサーマルを推進
巨額(1兆2千億円)の税金を無駄にした「もんじゅ」の廃炉は決めたが、
世界が見限った高速増殖炉の研究開発は続ける予定
★世界が撤退を続ける「原発、石炭火力」の輸出を推進
★世界の目標「CO2ゼロ」とかけ離れた日本政府
●日本のエネルギー政策の問題点
1.原発を推進
★危険対策、避難計画もないまま、国民の反対にも耳を傾けず原発推進
*福島第一原発事故の莫大な処理費用
*原発の発電コストは安くないことを隠したまま。コストをごまかしたまま
*放射能廃棄物の処理方法もないまま
★基本計画を実現するには「原発30基必要」ということをごまかしたまま、
「原発を低減させる」と無責任な発言に終始
2.石炭火力を推進
★国際ルール「パリ協定」の会議では、日本は批判を浴びている
温暖化対策は日本は50位、「非常に悪い」と評価されている
3.再生エネは消極的
★低すぎる再生エネ比率20%・・・再生エネの先進国水準は50%
★外務省は再生エネ比率40%程度に上積みが可能との見解
4.独断的な政策決定
★国民の思いより、経済界などの利益重視
★民主党政権下では、国民の意見を聞くタウンミーティングを開催
その結果、2030年迄に原発ゼロが決定したが、安倍政権下では再稼働推進
★政府の諮問機関、基本エネルギー調査会は政権の意向に沿った人選
★議論を尽くさないで国会で採決
●安倍化する社会
この原発問題もひどいが、これは安倍政権の常套手段の一つであり、氷山の一角。
これまでの重要法案も
1. 集団的自衛権、安保法制、国家機密法、共謀罪など数え上げればきりがない。
憲法違反の疑いがある重要法案は全て形だけの審議で強行採決で強引に可決してきた。
2.「働き方改革」も、「時間外労働の上限を抑える」という建前とは裏腹に
「高度プロフェッショナル制度」で大きな抜け穴を作り、またもや強行採決で強行可決を狙っている。
3.防衛省の日報問題も、隠蔽(いんぺい)、虚偽答弁を続け、逃げ切ってしまった。
4.森友問題、加計問題も、絶対に逃げられない証拠が出揃っているにも関わらず、
張本 人の安倍首相、麻生財務大臣の両名は、まるで他人事のような発言に終始している。
正義の守り手だったはずの大阪地検特捜部までも、政府の隠蔽と改ざん、
不法な国有地の払い下げ問題に加担し、不起訴にしてしまった。
5. 政権にとって数合の悪い状況になると、「国民栄誉賞」などで目くらましをする。
森友・加計問題や芸能ニュースなどに紛れて重大な政策を強引に決定した。
*エネルギー基本企画、種子法廃止、働き方改革、カジノ法、水道法など
★日大アメフト事件
誰が見てもシロクロは明白。経営陣はいまだにごまかしと時間稼ぎをしている。
★神戸市教育委員会の隠蔽工作
「腹をくくってください」――女子中学生が自殺した問題で、生徒の重要な証言メモ
の隠蔽を、市教育委員会の首席指導主事が当時の校長に指示していた。
★大手メーカの改ざんが相次ぐ
神戸製鋼、理化研、東洋ゴム、旭化成建材、東芝、三菱自、日産、スバル、
三菱マテリアル、日本貨物航空、スルガ銀行等など、有名企業が続々改ざん。
●「安倍化する社会」を許すな
★省エネ、温暖化防止は自分から、地域から!
★脱原発の声を上げよう!
★つながろう! 意思表示しよう! 本気の政治家を支持しよう!
◎詳しくは、書籍『宇宙船地球号のゆくえ』をごらんください。
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