【地球は今…】自然災害と対策
世界的に自然災害が多発している。今回は自然災害とその対策について考える。(高木善之・落合眞弓)
●いろいろな自然災害
★ここ100年の大法的な巨大地震- 発生が予期されている「南海トラフ地震」は、M 9.1、震源域面積14万km2 死者 32万 3000人、被害総額 1240兆円(国家予算の 12倍)が想定されている
★最近の主な水害・土砂災害
- 地球高温化によって日本の年平均気温は、過去 100年で 1.2℃上昇、さらに加速
- 猛烈な雨(1時間降水量 80mm以上の雨)の年間発生回数増加
- 台風や豪雨による風水害・土砂災害発生が急増
- 過去の地震、津波、山崩れなどから生まれた伝承(ここに家を建ててはいけない)が忘れられ、開発を優先した結果、大きな被害が出た。
★火山の巨大噴火
- インドネシア・クラカタウ島の噴火(1883年) 死亡 36,417人
- 日本では、1779年から 1792年のわずか 20年足らずの間に火山災害が 7回相次ぎ、人口の少ない当時でも 1万 6000人以上の人が犠牲
★日本は自然災害が多い
日本は、国土面積は世界の0.28%という小さな国だが、
- マグニチュード 6以上の地震の 20.5%が日本で起こっている
- 活火山の 7.0%が日本にある。活火山が 110以上ある「火山列島」だ
日本の政治は、あまりにも無防備、無策ではないだろうか。
●地震と原発
- 1970 - 2000年の間の M5を超える地震は、日本は 3954回に対して、仏・独は 2回
⇒地震発生頻度は 2千倍! - それほど地震の危険が高い日本に、世界の原発の 1割。
原発密度が世界平均の 35倍!
●例えば巨大堤防
- 想定以上の巨大津波には堤防は効果なし
- 世界一の釜石市の防潮堤(1600億円)は、巨大津波で崩壊し、防潮堤の効果を信じて避難しなかった住民が多数犠牲になった
- なのに日本政府はまた、東日本大震災後、その約 10倍(1兆 3500億円)の費用をかけ、総延長 395㎞、最大の高さ 15.5mの巨大な防潮堤を建造しようとしている
- 巨大防潮堤は、生態系や観光資源を破壊し、自然との共生に逆行している
●ダムはムダ
- ダムは想定以上の豪雨には決壊、または決壊を避けるために大量放水
- 異常気象では想定外の豪雨が多発。ダムは、かえって危険
- 欧米ではダムの撤去が進んでいる
- ダムが撤去されれば、川は生態系を守り、日常の生活を支えてくれる
- 老朽化したダムは撤去し、自然河川に戻していく。 民主党政権は「コンクリートから人へ」と不要なダムの見直しを進めたが、安倍政権になって「脱ダム」は遠のき、5年でダム予算は2割増え、約 1500億円になった
- 科学的に考え、世界の潮流に学び、日本の治水政策を転換する時が来た。森の保全、山の保水力を高める。自然のダム効果を取り戻す
●災害の備え
★国と地方
- 「危険地域に住まなくていいようにする」「住むならば対応策をとる」など、法律や条令を整備し、実行する
- 正確な情報を迅速に伝え、被災者を救済する(物資の支援、避難所、仮設住宅など)
★地域、隣近所、コミュニティ
- 日頃から、「つながり」「きずな」を大切にし、コミュニケーションをとる
★自分の努力
- 日頃から、防災グッズの準備や避難経路の確認をする
- 情報をキャッチし、早めの避難をし、弱者には手を貸す