事務局の社窓から

【社窓から】祝島ツアーに参加して

こんにちは!
事務局スタッフの石津望です。
2月15日(金)~18日(月)に三泊四日で
祝島「らんぼうツアー」に参加してきました!
初めての祝島で素晴らしい体験や出会いがあり、とても良かったです!
祝島に詳しいらんぼうさんが島の歴史やいまを教えてくれ、
島の色んな人とつなげてくれました。
「らんぼうツアー」おすすめです!!

以下長くなりますが、祝島で感じたことを書きます。
・島の生き方
・宿泊したお宅で
・過疎化、高齢化、原発建設問題
の3点をまとめています。

【島の生き方】
祝島の人口は過疎が進み現在約350人です。みんな知り合いなので、
道で会ったら「こんにちは~」と笑顔で挨拶し合い、
島を訪れる人にも笑顔で丁寧に接してくださいます。

私が一番感動したのが島の人たちの生き方です。
離島のため、何かトラブルが起きても本土の行政に頼ることが
できないので、島の人たちは自分たちのことは自分たちでするという
「自主性」を子どもの頃から身につけるそうです。
何でも自分たちで作り上げてきた島の人たちは、
仕事をしているときも楽しそうで活き活きした表情が印象的でした。

家と家とのあいだは人が一人通れるほどの狭さで、
なにかあれば助け合い、喜びも悲しみも分かち合う。
子どもはだれの子どもでもそこにいる大人が見守る。
山や海からいのちそのものを日々享受する。
島のこれからを考えて自主的に行動する。

きっと、本来これが生きるってことなんだなぁ!と、
ものすごい衝撃をうけました。

与えられたものをもそもそ食べ、人付き合いもそこそこに、
便利快適なものに囲まれながら不平不満を口々に、
機械のようにせかせかと暮らす大多数の都会の人って
一体何なんだろうと大阪に住む身として、
しみじみと考えさせられます。

政府や行政に任せっぱなしにしないで、
自分事として町づくりに関わるようになれば、
実は、あれもこれも自分や家族の未来に直結しているんだと
もっと実感でき、自分たちで新しい可能性を生み出せる。
そこに大変さもあるけれど絶対に楽しいだろうなぁ。
祝島のようなコミュニティーは他にもあると思いますが、
もっともっと数が増えればいいなぁと思います。


【宿泊したお宅で】
ツアー中は、島の人と島の外の人を繋ぐ役割を長年されている
男性のお宅へ宿泊させてもらいました。優しくてとてもポジティブな
話し好きのおじさんです。その方が、祝島、原発、戦争、人生について
色んな話をしてくれて、毎晩話がつきることなく夜中や朝方まで
みんなでワイワイ。夜は、みんなで島の食材を使ってそのお宅で
料理をして食べました。普段私は少人数で食事をしています。
みんなで美味しい料理を食べるって人間らしく生きていくうえで、
欠かせないんだなぁとすごい感じました。


【過疎化、高齢化、原発建設問題】
もちろん良い面ばかりではありません。
急速に進む過疎化、高齢化、原発建設の問題が祝島に影をおとしています。

祝島の人が東京の女性と結婚し、島にきてくれた喜びのあまり
島のおばさん方が花嫁さんにおせっかいをし過ぎて、
東京に帰ってしまったというエピソードを聞きました。
ここ10年で移住者が増え、40名余りが移住。
若い夫婦も数組がきたことで、子供のはしゃぎ声が聞こえるようになり、
少しにぎやかになったそうです。
しかし、過疎化や高齢化は今後の大きな課題です。

そして、地球村会員の佐藤さんが特会MLで取り上げられていたように、
祝島には30年にわたる原発建設問題があります(現在工事は中断)

今回のらんぼうツアーで、祝島の対岸にある上関原発建設予定地の
田ノ浦の浜を訪れました。祝島の集落がみえる近さです。
この海が埋め立てられて原発ができるかもしれないなんて…
目の前に広がる海と山があまりにも美しすぎて、
やりきれない気持ちで一杯になりました。
原発が建設されれば、汚染物質が半永久にばらまかれ、
事故が起きれば福島のように取り返しのつかないことになってしまう。

現在、建設工事は中断されていますが、市が電力会社に
建設許可を出しているため工事がいつ再開されてもおかしくないそうです。

ただ安心な暮らしを願う島の人たちの声を聞きました。
「田ノ浦に原発がつくられても、その電力をつかうのは
大きな都市に住むひとじゃ。あんな恐ろしいものはいらん」

「建設をとめたくて、二年半、日夜問わずみんなでカヌーを漕いで
 田ノ浦へ行った。あんなことはもう二度とやりたくない」

原発問題によって、島の人たちが賛成派と反対派に分断され、
それまでは仲良かった関係がギクシャクしていったそうです。
「ふたつよいことないものよ」と
その話をしてくださった佐藤さんの表情がとても印象に残っています。
本当はみんな仲良く暮らしたい気持ちが
あったのよとおっしゃっていました。
いま関係は少しずつ修復されてきたそうで安心しました。

また、島で唯一の神社では、神主さんが賛成派だったため、
反対派の人々は神社にお参りに行くことをやめ、
年に2,3回あった神社の祭りもなくなり、
最後には神主さんが島から出て行ったそうです。
精神のよりどころであろう神社へお参りできないなんて、
今、島の人口の半数を占めるお年寄りの方々にとっては
特に辛いだろうあ。

基地も原発もいったん進めば止められない。
戦争や原発事故が起きて後悔しても後の祭り。
自分は関係ないと思ってる人たちもその家族も、
否が応でも巻き込まれるでしょう。
もっと多くの人が社会のことを自分の事として考え
主体的に動いていく、そんな社会が一日も早くくることを願います。
そして、自分も行動していきたいという思いをあらたにしました。

今回、素晴らしい気づきをくださった祝島の方々に感謝です。
また祝島に行こうと思います(#^^#)

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