【地球は今…】日本の選挙の問題点
統一地方選挙は毎回無投票が増え、今回は過去最悪となった。また日本は女性の比率が低く、投票率も低い。 その原因を調べ、日本と世界の違いをまとめた。(高木善之・落合眞弓)
●統一地方選挙について
- 地方自治体の長や議員の選挙日程を全国的に統一して実施
- 年々、政治への関心が薄れ、投票率が下がり、議員もなり手不足
- 競争率は過去最低、無投票当選 27%。高齢化、過疎化が進む地域ではさらに深刻
- 今回(4月7日)の道府県議選の投票率 44.02%で過去最低を更新
●女性議員の比率が低い
- 国会議員の女性の割合は、191ヶ国中 144位の 13.8%
- 地方議会の女性の割合は、都道府県議会 10.1%、市議会 13.2%、町議会 8.9%
- 「候補者男女均等法」が昨年成立したが、今回立候補した女性は 12.7%
自民党 4%、立憲民主 26%、国民民主 12%、公明党 8%、共産党 46%、維新 7% - 日本はまだまだ男性社会で、「男女平等」は掛け声だけ
- 安倍政権になってからは、大臣、与党議員のセクハラ発言や行為があとを絶たないし、問題が起きても政府、与党がウヤムヤ、ごまかし、本気で解決しようとしない
- 男性社会は司法(最高裁)にも見られ、女性判事が圧倒的に少なく、夫婦別姓の問題、同性婚などの問題も非常に遅れている
※同性婚を認めてもらうには、方法の 1つに性転換の手続きが必要など異常な状態
●投票率について
- 戦後の投票率は 70%台で推移していたが、経済の安定とともにだんだん低下
- 民主党に政権交代した選挙は 69.28%にUP。安倍政権では投票率が最低に!
- 特に問題になるのが 20代の投票率
前回衆院選では、60代以上 72%、50代 63%、40代 54%、30代 45%、20代 33%
(加えて少子高齢化で若者世代(18~39)の有権者数は高齢世代(60~)の約 67 %) - 若者の有権者数も投票率も低いので、政府は若者向けの政策(子育て支援や教育無償化)より、高齢者政策(老人福祉)に重点を置く。それがさらに少子化に拍車をかける
- 投票率が低いと、組織票の比重が大きくなり、与党が有利になる
それが「選挙に行っても社会は変わらない」という気持ちになり、
さらに投票率が下がり、さらに社会が変わらないという悪循環になっている
●投票率はなぜ低いか
★安倍政権の責任
- 原発推進、沖縄基地問題など民意を無視
- 国民が納得できない法案(集団的自衛権など)を次々と強行採決
- 森友・加計問題、データ改ざん、虚偽、隠蔽、話のすり替え、ごまかし
- トランプ大統領に無条件で追随するなど、国民の政治不信はピークに
★節操のない政治家
- 当選した議員も政党を乗り換え、政治家としての矜持、節操がない
- 「誰に投票していいかわからない」というより、「誰に投票しても現状は変わらない」という絶望感
★議員の高齢化
- 北欧は 30歳以下の議員数は日本の 10倍
- 日本は政治家の平均年齢が高く、当選回数を重視。若手議員の要職登用が少ない
- 若い人の意見が政治に反映できない
★教育の問題
- 日本では、「政治的中立」を言い訳に政治的な教育ができない
- 先進国では、子どもたちの政治参加が積極的
- 学校では、実際の選挙と同じ政党、立候補者で模擬選挙が行われる
★立候補には法外の供託金
- 国会議員は比例区 600万円選挙区 300万円、知事 300万円、都道府県議 60万円
- 供託金は、貧しい人、若い人、女性の立候補に高いハードルになっている
- 海外では、米国、フランス、イタリア、ドイツなどは供託金ゼロ。英国は約 9万円
★小選挙区制
- 小選挙区制は 1人しか当選しないので、 1票でも多いほうが当選
- 野党は候補を 1本化しない限り、ほとんど勝ち目はなく民意が反映されにくい
- 2017年の衆議院選挙では、自民党の得票率は、小選挙区 48%、比例区 33.72%
しかし、議席占有率 74%。小選挙区制そのものが問題
もとは日本は中選挙区制だったが、1994年に小選挙区が採用された。小選挙区制は 1区 1人しか当選しないから、 当選者以外の投票は死票となり、大半の民意が無視される。小選挙区制のメリットは見つからない。 「強い者がより強く、弱い者がより弱く」という日本の現状のの原因の大半がここにある。 野党には「野党共闘」しかチャンスがない。 |
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~小選挙区制から中選挙区制へ、野党一本化を進める~