【地球は今…】女性の活躍(政治)
政府は何年も前から「女性活躍社会を」と唱えながら、男女格差が主要国で最下位の日本。
どうして改善できないのか、根本原因を考えてみよう。(高木善之、落合眞弓)
●世界男女格差指数ランキング(2019年世界経済フォーラムより)
男女格差指数は「政治的権限」「経済活動参加」「教育」「健康と生存」の4点の評価
★総合ランキングは、1位アイスランド、2位ノルウェー、3位フィンランド
★日本は153ヵ国中121位(前年110位)。主要国で最低水準
- 内訳は政治144位、経済115位、教育90位、健康40位
- 政府は「2020年までに指導的地位の女性の割合を30%程度にする」という目標を2030年に先延ばしした
●日本の政界の現状
★政府は女性活躍の目標を掲げるだけで具体的な政策、対策は打たなかった
★むしろ、伝統的家族観をもつ自民党の高齢議員らが妨害してきた
例えば、西田昌司自民党議員「女性の社会進出は少子化の一因」
★「政治分野における男女共同参画推進法」は罰則もなく理念どまり
★日本は衆院10%、参院23%、両院14%、地方議員13%。世界191ヵ国中165位
※世界の平均女性議員比率は下院議員25.2%、閣僚は21.2%
★政党幹部は全員男性。その上、平均年齢は自民党71歳、立憲が58歳
●女性の政治進出を阻む壁は
★自民党議員に高齢で古い価値観の政治家が多い
- 「政治は男の世界。利権の世界。戦いの世界」
- 「男は外で働き、女は家事や子育てで家を守る」
- 「女性は男性よりも劣っている」
- 女性議員へのセクハラや野次が横行・・・「(女性は)子どもを産む機械」など
- 立候補の際、高い供託金(300万円)、家族の反対や周囲の無理解
- 「入閣するには当選5回以上」という慣例も大きな壁
★家事、育児のバックアップ体制がなく、議員との両立が難しい
- 男性の家事への参画が世界での最低レベル、家事負担の男女格差は7倍
- 日本の男性の育児休暇率は5.1%しかない
●先進国では
★アイスランド
- 以前は、男性優位、育児や家事労働は女性が担うものという意識が根強かった
- 1975年、国中の女性が一斉にストライキ。
家事や育児、仕事を離れ、「男女格差にNO!」を突きつけ、社会全体が「女性なしでは社会が回らない」ことを認識した - 現在、ジェンダー指数11年連続トップ
- 女性国会議員の比率は38%、閣僚の半数が女性
- 世界初の女性大統領を輩出したほか、今も首相は女性
★ノルウェー
- 1974年に自由党が初めて性別クオーター制を導入。主要政党も自主的に導入
- 1978年、男女平等法を制定。両性が最低40%を占めなければならないと規定
- 家庭での男性の関わりに重点を置いた男女共同参画政策の推進
- 政策の焦点は、いかに社会への女性の参画を促すかという視点
- 現在女性国会議員は40%
★フィンランド
- 首相は、貧困や同性愛の問題を経験してきた世界最年少34歳の女性
- 政党の5党首もみんな女性で4人は30歳代
- 新内閣は女性12人・男性7人、平均年齢は47歳
- 年齢や性別に関係なく能力を発揮できる社会
★ニュージーランド
- これまでに3人の女性首相が誕生している
- 国会議員は40%が女性
- アーダーン首相は、事実婚で妊娠、世界で初めて首相在任中に産休・育休を取得
●女性議員が増えると
★女性の価値観(環境・平和・安定・安心)が生かされる
★政治が身近になり、民意が反映しやすくなる
●女性議員を増やすために
★男女平等の基本・クオーター制の義務化(196ヵ国中118ヵ国が導入)
★女性が活躍できるインフラ作り、議会文化の改善
★政治や選挙に立候補するための勉強会を!
★女性議員を応援しよう!!