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【地球は今…】女性の活躍(社会)

男女格差指数ランキング世界153ヵ国中121位、主要国で断トツ最下位の日本。
なぜ改善できないのか、根本原因について考えてみた。(高木善之、落合眞弓)

●日本社会の男女差別の現状

★女性を区別(差別)する風習や決め事が多い

  • 女性が参加できない神事や儀式、女性が土俵に上がれない「相撲」
  • 甲子園のグラウンドには女性は入ってはいけない
  • 「男系男子」しか天皇への即位が認められていない
  • 結婚すると夫婦同姓で多くは女性が男性の姓を名乗り、世帯主は男性

★性区別、性差別が根強い

  • 一人で、仕事・家事・育児をこなさなくてはならない(ワンオペ育児)
  • 「男らしい、女らしい」「男のくせに、女のくせに」

★経済社会でその傾向が強い(153ヵ国中115位)

  • 女性の賃金は男性の74%・待遇の格差やセクハラなどが問題視されている
  • 女性管理職は15
  • 非正規雇用は、女性は56%、男性は22

デンマーク、フィンランド、オランダなどにもパートタイムはあるが、日本の非正規雇用とは大きく異なり、時給や社会保障など待遇格差がなく、自由な働き方を選びやすい。

★政治家の無理解、性の押し付け発言

  • 伊藤鹿児島県知事の「サイン、コサインを女の子に教えて何になる?」
  • 女性議員に向かって「早く結婚しろ」「子どもが産めないのか?」というヤジ
  • 元厚労相の「女性は産む機械」
  • 前五輪相の「子どもを3人くらい産むようお願いしてもらいたい」発言等々

アンケートで「男性が優遇されている」と回答した人は7割以上。
分野別では、政治(73.5%)、社会慣習・しきたり(70.4%)、職場(56.6%)、法律・制度(45.2%)、家庭(43.4%)。

●女性差別はいつから?

★縄文時代は、自然な役割分担があった

★平安時代は、家や財産は娘が相続し、政治権力は父子・兄弟が相続した

★戦国時代は男性社会になり、結婚は保身と出世の政策、女性はその道具になった

★江戸時代になると、これらの傾向は社会一般にもおよんだ

●日本の女性解放運動

★福澤諭吉(18351901年)   日本で初めて「男女同権」を唱える

★平塚らいてう(18861971年) 「元始、女性は太陽であった」と婦人解放運動を宣言

★荻野吟子(18511913年)   日本で初の国家資格を持った女医、女性運動

★津田梅子(18641929年)   女子教育に生涯をささげる

●男女平等を目指す日本の法律

1946年 男女平等、戦争放棄を謳う「日本国憲法」公布

  • 女性参政権が実現し、多くの女性議員が誕生

1947年 男女共学、女子の高等教育機関開放などを盛り込んだ「教育基本法」公布

1947年 家制度を廃止した民法改正

1985年 「女子差別撤廃条約」に批准し、「男女雇用機会均等法」を制定

1997年 努力義務だった採用・昇進・教育訓練における差別が禁止規定に改定

1999年 「男女共同参画社会基本法」施行

2016年 「女性活躍推進法」施行

ここまでの憲法や法律は他の先進国と大きな違いはない。
問題は、政府がどれだけ本気でそれを実現しようとしてきたかだ。
日本は長く自民党政権が続き、本音では「変えたくない」という政治を続けてきた。
戦争、環境、自由と平等、福祉や教育についても、「変えたくない」という意識が強い。
特に安倍前首相がその傾向が強く、それを継承した菅首相にもその意識が強い。
その結果、見苦しい国会答弁を続けている。

●「世界で最も影響力のある」日本人女性たち

★日本人初の国連難民高等弁務官、緒方貞子さんは「大切なのは苦しむ人々の命を救うこと。自分の国だけの平和はありえない」と紛争地を飛び回り、難民を支援

★田部井淳子さんは世界で初めて女性として世界最高峰エベレストおよび七大陸最高峰への登頂に成功。
山のごみ問題や福島原発事故後は復興支援に奔走した

★ジャーナリストの伊藤詩織さん。
性被害を告発し、世界の「#MeToo」運動に加わり、日本女性に変化をもたらした。
『世界で最も影響力のある100人』に選ばれた

★テニスの大坂なおみ選手。
全米テニス大会で『黒人差別の犠牲者』の名前をプリントしたマスクを着用して抗議し優勝。
『世界で最も影響力のある100人』に選ばれた

★石川優実さんは、女性にハイヒールを8時間履くこと義務付ける職場の服装規定の撤廃を求め「#KuToo」運動を主導。
『世界で最も影響力のある女性100人』に選出

★今日和さんは、女性力士として活躍。
映画「リトル・ミス・スモウ」が制作され、国際的に高い評価を受けた。
『世界で最も影響力のある女性100人』に選ばれた

女性が活躍できる社会、すべての人が安心して生きられる社会は、みんなで話し合い、声を出し、協力していくことが必要です!!