環境情報

【地球は今…】食べ物編 ~種は誰のもの?

今回は種をめぐる現状とゲノム編集食品の現状、問題点について調べた。(高木善之、落合眞弓)

●種子改良の歴史~アグリカルチャーからアグリビジネスへ

★種子の改良は、これまでは自然交配や突然変異で、ごく稀に起きていた
20世紀に入って、メンデルの法則が確立し、積極的な人工交配が始まった
1980年に微生物、1985年に植物、1988年に動物の生命特許が成立
★ヨーロッパの市民団体は生命特許、種子特許に対する反対運動を拡げている
★その後、「遺伝子組み換え」や「ゲノム編集」が始まった
★さらに「F1」(1世代のみの優秀な農作物の種子)の開発が進んだ
★農家は毎年F1種子を買わなければならなくなり、農業は企業の支配下に

独占が進む世界の種子企業

★外国企業の種子開発や遺伝子操作は、巨大資本(ロックフェラー財団、フォード財団、ビル&メリンダ・ゲイツ財団)が支援による介入
★世界の種子市場は巨大(6.4兆円)、日本は僅か(1700億円 2.6%)
★上位4社(※)の市場占有率は、農薬8割、種子6割を超える
※バイエルン(モンサントを買収)、コルテバ、シンジェンタ、ケムチャイナ
★中国のケムチャイナはシンジェンタを買収。外国依存から国産品種の開発へ

●遺伝子組み換え作物(GMO)の問題点

★「人体や環境に安全とは言えない」と世界中で反対運動
★米国では除草剤などの使用によるガンなどの健康や環境被害訴訟が12万件以上
 モンサント社(現在バイエルン社)は高額賠償金の支払い命令を受ける

ゲノム編集技術と現状

★ゲノム編集とは、特定の遺伝子を破壊したり、他の遺伝子を挿入する技術
★特定の遺伝子だけではなく関係のない遺伝子も壊す恐れがあり安全性は不明
★ゲノム編集の食品の実用化は、米国では高オレイン酸大豆、日本は高ギャバトマトの栽培と流通が認可。
 その他、イネ、ジャガイモ、コムギなどの開発が進んでいる
※トマトは消費者の反対で流通していないが、企業は苗を無償で配布している 
EU、ニュージーランドでは安全が確認できない限りゲノム編集は認められない
EU、ニュージーランドでは表示義務があるが、日本は安全評価も表示義務もなし

●日本政府の危険な動き

1.種子法廃止、農業競争力強化支援法、種苗法改正の3点セット

★コメ、麦、大豆の公的種子事業を廃止して企業に明け渡す=「種子法」廃止
★農業試験場などが維持してきた多種多様な種子、育種技術、ノウハウを企業に譲渡、移転させる=「農業競争力強化支援法」
★農家の自家増殖原則の禁止=「種苗法」改正
自家採種禁止品種は年々拡大。199823種→ 200682種→ 2017289種→ 2018356種→ 2020年原則すべて禁止
★どこの国でも小麦など自国の主要穀物は公的管理が当たり前。日本は逆行
★これらにより、公的種子や農家の種子がすべて企業の種子に置き換わることになり、多国籍巨大企業の独占的支配が進む

2.その背景

★日米貿易交渉で、米国の多国籍企業の圧力により、日本の農業政策が破壊されている (日米安全保障条約の「日米地位協定」と同じ)
★ゲノム編集作物・食品でEUに締め出された多国籍企業は日本を攻略
★日本の企業も、遺伝子組み換え・ゲノム編集作物開発の参画、競争の促進
★最終ゴールは、農家がすべての種子を企業から購入すること

3.問題点

★官や民間のノウハウが多国籍企業に流れる
★農家は企業から買った種子を育てるだけ、まるで企業の下請けとなる
★生産方法(化学肥料や農薬など)も企業の指示通りになる
★化学肥料や農薬は土を壊し、生産量が減り、安定供給ができなくなる
★有機農家にとっては自家採種できなければ安全な種苗が手に入らなくなる
★種子が企業に支配され、消費者は選択できなくなり、農・食のあり方が変わる

この危険な動きを止めるために

★農家が伝統的な種子を守り、育てられるような法整備を!(種子法など改悪反対)
★遺伝子組み換えやゲノム編集でないまともな農作物を!(私たちの意思表示)
★国産、無農薬、減農薬のものを!(私たちの買い物での意思表示)
★農家と消費者がつながり、社会を変える力に!(直売、直接契約)

種は本来、誰のものでもなく、空気と同じ自然のものだ!
安全で健康な食生活を守ろう!
事実を知り、正しい選択と意思表示をしよう!