環境情報

【地球は今…】COP(気候変動枠組条約締約国会議)

10月31日から14日間にわたりイギリスのグラスゴーで開催されたCOP26の
成果について、COPの歴史と共に考えてみた。    (高木善之、落合眞弓)

●COP(気候変動枠組条約締約国会議)の歴史
1992年:リオの地球サミットで「気候変動枠組条約」採択
 ・大気中の温室効果ガスを安定化させることに、197の国と地域が合意
1994年:「気候変動枠組条約」発効
1995年:COP1がベルリンで開催
1997年:COP3、「京都議定書」※採択
2001年:アメリカが「京都議定書」から離脱(ブッシュ大統領)
2005年:「京都議定書」発効
2010年:COP16、「カンクン合意」採択
 ・先進国と途上国両方の削減目標・行動を同じ枠組の中に位置付けることが決定
2012年:「京都議定書」第1約束期間終了
 ・日本は第2約束機関に不参加を表明(安倍首相)
2015年:COP21、「パリ協定」※採択
2020年:アメリカは「パリ協定」から離脱(トランプ大統領)
2021年:COP26開催

●京都議定書
・国際的な数値目標を初めて決定。それに伴う温室効果ガス排出削減を義務づけ
第1約束期間(2008〜2012年):EU 8%、アメリカ 7%、日本 6%削減の義務
第2約束期間(2013〜2020年):先進国の削減目標18%。日米は不参加
・先進国のみ対象で、途上国には削減義務を求めず
・先進国による資金の提供義務

●パリ協定
・産業革命以前と比べて、気温上昇2℃未満を長期目標。1.5℃に抑える努力を追求
・先進国も途上国も、5年ごとに温室効果ガス排出削減目標を提出・更新
・各国は目標達成に向けた進捗報告を提供し、専門家によるレビューを受ける
・先進国による途上国への資金と技術支援を一部義務(途上国は自主的な資金提供)
・2国間クレジット制度(JCM)※を含む市場メカニズムの活用
・削減目標の提出や報告、行動に対する法的拘束力はあるが、削減義務はなし
※JCMとは、2ヵ国で協力して削減に取り組み、その成果を両国で分け合う制度

●COP26までの背景
★COP26の直前に、各国が掲げる2030年削減目標を達成したとしても、世界全体の温暖化効果ガスの排出量は2010年比で2030年に13.7%増加し、世界の平均気温は『2.7℃上昇する』とした「排出ギャップ報告書」を国連環境計画が発表
★企業、投資家、自治体、市民団体など政府以外のあらゆる関係者が存在感を示し、各国政府と一丸となり脱温暖化を推進
★気候危機の被害を最小限に抑えるためには、1.5℃に抑えることがより重要であるという科学的知見を受けて、1.5℃に抑えることの重要性を認識

  1.5℃ 2℃

熱波に見舞われる世界人口
(少なくとも5年に1度)

14%

37%(17億人増加)

年間漁獲高

150万トン減少

300万トン以上減少

2100年までの海面上昇水位と影響を受ける人口

26~77cm

1.5℃より10cm高く、
影響は1千万人増加

生物種

脊椎動物の4%、植物の8%など種の生息域が半減

15℃より2倍以上の
生息域が半減

サンゴ

生息域7090%減少

生息域99%減少

●COP26  結論「グラスゴー合意」
★約130カ国の首脳や政府代表が参加
★世界の平均気温の上昇を1.5℃未満に抑えるための削減強化を各国に求める「グラスゴー気候合意」を採択
★そのために2030年に45%削減(2010年比)、2050年にゼロにすることも明記
★また、石炭火力発電の「段階的削減」に向けた努力を加速することも成果文書に採択
★パリ協定のルールブック(実施指針)が完成

COP26最終段階で残念な場面があった。
多くの国で「脱化石燃料」へ大きく舵を切っている中で、「化石燃料の段階的廃止」の合意の採択直前に、世界3位の排出国インドの提案により「段階的削減」に弱められた。シャーマ議長は声をつまらせて「申し訳ない」と謝罪した。同じ思いの多くの国から議長に賛同の拍手が送られた。
しかし石炭火力を推進している日本は胸を撫で下ろしたのではないか。
世界の脱原発のきっかけとなった日本が、脱原発をしないこと、脱炭素に消極的なことに世界は驚きあきれ、今年も日本が「化石賞」を受賞したのは当然だ。
日本は、「脱原発」「脱炭素」に本気で取り組まなければならない。