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【地球は今…】地震と防災

日本には約2000もの活断層があり、いつどこで大きな地震が起きてもおかしくない。今回は、地震と防災について考えてみた。  (高木善之、落合眞弓)

・地震の歴史
★地震の記録は416年「日本書紀」から始まる
★巨大地震(M7クラス)は、416年から1200年までは約40年に一度であったが、年々間隔が短くなり、近年は約2年に一度になっている(観測技術の向上も影響)
1923年の関東大震災は首都圏直下型地震で死者・行方不明者は約105000
1995年の阪神・淡路大震災ではボランティアが活躍。「ボランティア元年」に
2011年の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)M9で国内観測史上最大規模

・地震の起こる仕組みと種類
★地震最大の原因はプレートの“ズレ”
地球は、中心核、マントル、地殻という層構造に なっていて、地殻と「マントル上部の個体部分」をプレートと呼ぶ。プレートは対流するマントルの上に乗っており、少しずつ動いている。プレート同士がぶつかり、片方の(重い)プレートが他方の(軽い)プレートの下に沈み込み、その歪みの開放によって巨大地震が発生する。

・プレート境界地震
2003年十勝沖地震、 2011年東北地方太平洋沖地震
・海洋プレート内地震
1993年釧路沖地震、1994年北海道東方沖地震
・陸域の浅い地震
1995年兵庫県南部地震、2004年新潟県中越地震、
2008年岩手・宮城内陸地震、2016年熊本地震プレートの動き

・日本周辺で地震の起こる場所
日本周辺では、海のプレートである太平洋プレート、フィリピン海プレートが、陸の北米プレートやユーラシアプレートの方へ1年あたり数cm の速度で動いて、陸のプレートの下に沈み込んでいる。このように複数のプレートによって複雑な力がかかり、世界でも有数の地震多発地帯となっている。

・想定される大規模地震
日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震
南海トラフ地震
中部圏・近畿圏直下型地震
首都圏直下型地震
相模トラフ沿いの海溝型地震

今後30年以内に発生する確率が60%~80%と高い予想の巨大地震
★南海トラフ地震は、M8~M9クラスの激しい揺れで、関東から九州の広範囲。津波は10m以上、死者数は32万人、損害は200兆円の予想
★首都直下地震は、首都中枢機能への影響が懸念される。相模トラフと連動して起きると、その被害はさらに大きくなる(1410兆円)
★北海道から岩手県沖にかけての「日本海溝」や「千島海溝」の海溝型地震では、20mを超える大きな津波によって最悪20万人近くが死亡するという被害想定
●地震と防災
★防災教育の徹底、災害教訓の伝承など
★建築物の耐震化、家具等の転倒防止対策
★一人ひとりの家庭内備蓄の実施 
食料・飲料水、乾電池、携帯電話の電池充電器、カセットコンロ、簡易トイレなど
★隣近所や災害ボランティアとの連携
★原発は危険! 即刻廃炉に!

“ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず” の名文で書き出される鴨長明の「方丈記」は、火災や竜巻、飢饉、地震などの被害状況をリアルに記録した「災害文学」ともいわれています。推定M7.4の元暦の大地震では「人々は皆この世は無常だと言っていたが、月日が経つにつれ地震のあったことさえ忘れ、同じことを繰り返す」と書いています。「無常」を知った鴨長明は「本当の幸せ」を探し求め、50才で出家。60才のころには生まれた家の100分の1にも及ばないわずか方丈(3m四方)の庵(いおり)を大原の山の中に建てて住まいとし、自然を友としました。