【地球は今…】国際環境会議
今回は、環境問題の国際会議について調べてみた。 (高木善之、落合眞弓)
●世界的な環境問題提起のはじまり
人は自然の一部であり、与えられた環境の中で自然と共存していたが、様々な技術
を手に入れたことで人間は環境を歪める存在となった。特に、産業革命からのエネル
ギーを利用する技術、化石燃料の使用、化学物質の発明などによって自然を破壊す
る道をばく進した。1960 年代のレイチェル・カーソンの「沈黙の春」、1972 年ローマクラ
ブの「成長の限界」は世界的に注目され、国際的な環境問題会議へとつながった。
●国際的な環境問題の会議
環境問題への関心の高まり
*1972 年 6 月 5 日 国連人間環境会議 at ストックホルム
・テーマ「かけがえのない地球」
・初めて世界規模(参加 113 ヵ国)で環境問題について議論
・これを記念して 6 月 5 日は「世界環境デー」とされる
*1992 年 国連環境開発会議(地球サミット) at リオデジャネイロ
・テーマ「持続可能な開発」
気候変動枠組条約(温暖化防止条約)・生物多様性条約・開発と環境保護を両立
させるため、行動計画『アジェンダ 21』をまとめた
・国連史上最大規模(参加 172 ヵ国)の会議
*1995 年 気候変動枠組条約第 1 回締結国会議(COP1) at ベルリン
環境問題の対策の考案
*1997 年 気候変動枠組条約第 3 回締結国会議(COP3) at 京都
・「京都議定書」の採択
・世界で初めて環境問題についての約束事が取り交わされた
*1999 年 2000 年 生物多様性条約特別締約国会議 at カルタヘナとモントリオール
・バイオセイフティに関する「カルタヘナ議定書」の採択
*2002 年 環境開発サミット(リオ+10) at ヨハネスブルグ
・『アジェンダ 21』の達成具合の評価
・環境問題だけではなく、人類が抱えている様々な問題についての議論
*2012 年 国連持続可能な開発会議(リオ+20) at リオデジャネイロ
・温室効果ガスの排出を抑えたグリーンな経済について
・持続可能な開発という考え方と制度や枠組みなど議論
国際環境会議
*2015 年 気候変動枠組条約第 21 回締結国会議(COP21) at パリ
・「パリ協定」の採択
*2015 年 国連サミット
・“2030 年までに達成すべき 17 の目標” SDGs(持続可能な開発目標)を決定
●国際会議での名スピーチ
*12 歳のセヴァン・スズキさん(1992 年地球サミット/リオデジャネイロ)
「オゾン層にあいた穴をどうやってふさぐのかあなたは知らないでしょう? 絶滅した
動物をどうやって生き返らせればいいのかあなた方は知らないでしょう? どうやって
直すのかわからないものを、壊し続けるのはもうやめてください」
「戦争のために使われているお金を全部貧しさと環境問題を解決するために使えば、
この地球は素晴らしい星になるでしょう」
「あなたがた大人はいつも私たち子どもを愛していると言います。本当なのでしょう
か? 本当だということを行動で示してください」
*チプコのメッセージ(1992 年モントリオール国際会議)
巨大ダム建設を阻止するために木が切られないように木に抱き付く(チプコ)と呼ばれ
る運動の代表のサンダルラル・バフグナさんのスピーチ。
「ダムができると森が沈み、私たちは生きていけない。はっきり言う。よく聞いて欲しい。
私たちは決して貧しくない。私たちは豊かだ。私たちは何も欲しくない、ダムも電気も
お金も。あなた方は変わった。あなた方は経済という宗教に取りつかれてしまった。あ
なた方の神様はお金、儀式は開発、生けにえは地球。あなた方の神様からの贈物は
餓えと公害と戦争。開発は自然を殺すこと、一時の富をもたらすが永遠の生活と幸せ
を失う。私たちは幸せを求めている。それには小さな土地と小さな水、そして小さな食
べ物で十分なのだ」
*世界一貧しい大統領ムヒカ氏 (2012 年地球サミット/リオデジャネイロ)
「私たちは発展するために生まれてきているわけではありません。幸せになるために
この地球へやってきたのです。貧乏な人とは、少ししかものを持っていない人ではなく、
無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ。根本的な問題は私たちが実
行した無限の消費と発展を求めるこの社会モデルなのです。見直さなければならない
のは私たちの生活スタイルだということ」
●地球市民国連構想(2002 年ヨハネスブルグサミットで『地球村』が提言)
『地球村』は、現状の大国支配による国連ではなく、地球市民による国連を提唱します。
国境を超えて世界の人々(地球市民)が協力するのです。
世界平和、地球環境や、飢餓貧困、紛争に、世界の人々が注目し、協力し、声を上げ
行動を起こし解決していくのです。