【地球は今…】 原発事故とその費用
『地球は今…』シリーズは、大切なテーマを取り上げ、解決を考えるページです。
【「原発速やかに稼働しないと大変」 経団連会長】 これは2022年3月22日の 朝日新聞の見出しである。 |
- 原発大事故と廃炉
*米スリーマイル原発事故(死者ゼロ)では1980年から除染作業が始まり、1985年から炉内の燃料の取り出しが始まり、1990年に終了したが、廃炉作業は未着手
*チェルノブイリ原発事故(死者4000人)では、多数の被爆者を出しながら、半年をかけて、大量の燃料を放置したまま「石棺」と呼ばれる覆いが建設された。2016年、老朽化のため、石棺をすっぽり覆う巨大なシェルターをEUが建設。耐用年数は100年以上。事故後30年間の経済損失は8000億ドル
*福島第一原発事故(直接死はゼロ)では、通常の原発廃炉でも30年かかるのに、メルトダウンを起こした原発の廃炉計画も30年。しかし11年たった今もデブリの取り出し、汚染水の処理、廃棄物の最終処分などは見通しが立っていない。
「原発事故は経験も技術もないから、廃炉の時間も費用も想像がつかない」が本音。
*「原発は何重にも安全装置があり、大事故は起きない」という空想は霧散した。
- 福島第一原発事故処理費の試算
*事故処理費は11兆円⇒22兆円と増え続けている。民間試算では81兆円
*日弁連は十分に請求できていない被災者も多くいると指摘
*ここに含まれない費用(除染・中間貯蔵費用)も多く、実際には大幅に超える見通し
*デブリの取り出しは始まっておらず、廃炉の支出増大はこれから。原子力政策に提言を行う「原子力市民委員会」がはじき出した計算では30兆円に上る
- 福島第一原発事故費用の負担の仕組み
*電力会社の廃炉費用も賠償費用は、国民の電気代に上乗せされている
*日本政府が現状のエネルギー政策を続ける限り、今後も原発事故は起きるし、そのたびに出口のない迷路から出られない
*本気で脱原発と自然エネルギーにシフトしなければならない
日本の原子力推進の根本は、原子力に群がる利益団体「原子力村」である。 |