『地球村』のスタンス

ゴルバチョフ氏亡くなる(2022.09.01)

★ゴルバチョフ氏亡くなる
 私たちの世代にはよく知られた人だが、「東西の冷戦、核戦争の危機を終わらせ、そのことでノーベル平和賞を受賞した人」「西側諸国では、最も人気が高かったソ連の指導者。しかし旧ソ連では『ソ連を崩壊させた悪党』と評価されている」

・1985、54歳で書記長(ソ連のトップ)に
・1986、チョルノービリ原発事故
 これは当時の旧ソ連の行き詰まりを代表する大事件だった。
 というのはソ連はフルシチョフ、ブレジネフ、アンドロポフと独裁的、東西冷戦を続け、国家経済、国民経済が破綻していた。
 ゴルバチョフはその行き詰まりをなんとかしようと精力的に動いた。
 対外政策では、まずアフガン戦争から撤退、アメリカのレーガン大統領と首脳会談をもち、核軍縮など冷戦の終結に動いた。
1989年、11月9日ベルリンの壁が崩壊
これはすべて東ドイツ政府の手違い、勘違い、初歩的ミスによって起きてしまった。
1989年12月、マルタ会談でゴルバチョフは「我々は戦争をしない。冷戦は終わった。これから長い平和の時代が始まる」と東西冷戦の終わりを宣言した。その時のゴルバチョフは最高にカッコよかった。私たちは世界の大転換を目にしていた。
翌年1990年、ゴルバチョフはノーベル平和賞を受賞した。世界はまさにそれにふさわしいと確信した。

1990年3月、新しいソ連の初代大統領に就任
国内では、言論・報道の自由、情報公開、民主化、ペレストロイカ、グラスノスチを進め、一党独裁体制、中央集権体制を弱めた。
 それに合わせて共和国が次々と独立宣言をしたが、ゴルバチョフは軍事介入しなかった。
1991年8月、ゴルバチョフに反対する強硬派がクーデターを起こした。クーデターは失敗したが、国内の混乱は収まらず、
1991年12月、ゴルバチョフは辞任、実質的にソ連は崩壊した。

 その後、旧ソ連の共和国の殆どが経済が崩壊、GDPが半分以下に落ちた。旧ソ連の人々は民主化は大失敗と考えている。
 プーチンの民営化政策によりロシア経済は立ち直ったが、同時に大きな経済格差が生まれ、振興財閥オルガルヒが誕生。
 プーチンはオルガルヒを競争させ、対立、分断させ、使い分けることで操ってきた。
 
 『ソ連はゴルバチョフによって崩壊した』と考えられているが、実際は一党独裁体制、中央集権体制は限界に来ていて、ソ連の崩壊は歴史の必然だったと私は思う。
 しかし旧ソ連の世代は、ゴルバチョフを嫌い憎しみ、ソ連を懐かしみ、ソ連の復活を望んでいる。
 プーチンがその代表であり、いままさに彼の時代錯誤、誇大妄想を追っているのだ。
 ゴルバチョフは最後まで、プーチン戦争を非難し停戦を宣言していた。
 この暴走を誰か止められるか。
 私は密かに反プーチン組織、NRAに期待している。