【地球は今・・・】平和のつくり方~世界の今
ロシアのウクライナ侵攻だけではなく世界中で戦争や紛争が続いている。今回は世界の現状と、平和のつくり方について考えてみた。 (落合真弓、高木善之) |
●世界終末時計
- 第 2 次大戦後、「核戦争が起きれば世界は終わる。そうならないために、核戦争の危険度を表す時計を」ということで世界の科学者によって設置され、毎年 1 月に更新して現在の危険度を表示している
- ここ数年、過去最悪 「あと 100 秒」(ロシアのウクライナ侵攻前の数字)
- ロシアはいま『最後の一線』を踏み越えようとしている
●世界の現状
- 核保有国は安保理常任理事国 5 ヵ国+インド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮
- ロシアのウクライナ侵攻によって核兵器使用のリスクが急激に上がった
- 北朝鮮、イランなども核兵器の開発は着々と進んでいる
- アメリカの抑止力が弱まり、多くの国が自衛のために核保有を検討
- パンデミック、地球環境の悪化、経済格差、分断など世界はどんどん悪い方へ
●核の脅威
- 現在の核兵器の破壊力は、広島・長崎に投下された原爆より桁違いに大きい
- 1 発で大都市が壊滅
- 世界の核兵器 1 万 2700 発、その 90%をアメリカとロシアが保有
- 核戦争が起きれば大惨事は免れない。核廃絶は不可欠
●核兵器禁止条約
- 2017 年 世界 123 ヵ国(2/3)が賛成。核保有国と同盟国は反対
- 被爆国、日本の反対に世界は衝撃、失望、非難、抗議
- 2020 年に条約の発効に必要な 50 ヵ国が批准、2021 年に発効
条約は、核兵器の開発、実験、製造、保有すべてを禁止。核保有国は、核兵器を減らすこと、廃棄を約束することを前提に加盟できる。 |
●主要国の軍事費(ストックホルム国際平和研究所 https://onl.la/tpdZs8c )
- 世界の軍事費 年間 2 兆 1130 億ドル(2021 年)
- 日本の軍事費は世界 9 位
米 国 |
中 国 |
イ ン ド |
英 国 |
ロ シ ア |
仏 国 |
ド イ ツ |
サ ウ ジ |
日 本 |
韓 国 |
|
軍事費 (億米ドル) |
8007 |
2934 | 766 | 684 | 659 | 566 | 560 | 556 | 541 | 502 |
GDP 比(%) | 3.48 | 1.74 | 2.66 | 2.22 | 4.08 | 1.95 | 1.34 | 6.59 | 1.07 | 2.78 |
世界シェア(%) | 38.55 | 14.12 | 3.69 | 3.29 | 3.17 | 2.73 | 2.70 | 2.68 | 2.61 | 2.42 |
●もしも 軍事費を平和に使えば
- 全世界の地雷の撤去 300 億ドル
- 全世界の核兵器の解体 600 億ドル
- 全世界の飢餓・貧困の根絶 3,000 億ドル
- 貧困国の債務の免除 6,000 億ドル
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- 合計 9,900 億ドル
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なんと 軍事費の半分で多くの問題が解決する!
●戦争や紛争の原因、その改善と解決には
- 「自分さえよければいい」、「今さえよければいい」
- 「自分が正しい」「相手が間違っている」
- 不安、不満、怒り、憤り
⇒ほんとうはどうか、いろんな角度で、いろんな立場で冷静に考えてみる
※私の著書 『非対立』『すてきな対話法 MM』『宇宙船』シリーズをご覧ください。
●平和国家コスタリカ
- 軍隊を廃止し、教育や医療、環境保全のために税金を使い平和国家を築いてきた
- 2021 年の『地球幸福度指数(HPI)』ランキングで 1 位
・「兵士よりも多くの教師を」をスローガンに幼稚園から高校までの教育費を無料
・教育費、医療費が無料、老後の保障あり
・電力は自然エネルギー100%
・エコツーリズムの発祥の国で自然環境の保全を徹底し生物の多様性を誇る
世界一貧しい大統領だったウルグアイのムヒカさんの言葉 「私たちは多くの富を持ち科学や医療が進歩した時代に生きています。一方、戦争のために多くのお金を使っていますが、命ほど大切なものはありません。私たちは、人間同士、国民同士の戦争を終わらせる義務があります。どうすれば幸せになるか 考えなければいけません。」 |
次回は日本の平和について考えます。