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【地球は今・・・】平和のつくり方~日本の今

岸田政権はウクライナ危機に乗じて、『防衛費』 『原発政策』など重要問題を大きく転換しようとしている。今回は日本の防衛問題を考えてみた。     (落合眞弓、高木善之)

●戦後、日本の防衛

▼無条件降伏

*進駐軍(GHQ)による占領と統治、軍隊解体と武器没収
*1946年、日本国憲法を制定。第9条で軍備と交戦権の放棄を謳った

▼自衛隊の誕生

*1950年6月 朝鮮戦争勃発、日本の米軍が出兵することとなり、マッカーサー元帥から吉田首相に指示があり、8月に警察予備隊(7万5千人)を創設
*朝鮮戦争への参戦に備えて重装備化を進め軍隊に近づいていった。
*1952年 保安隊に改組、1954年 陸・海・空自衛隊が発足

▼日米安保条約

*1951年、「サンフランシスコ平和条約」調印と同時に「日米安全保障条約」締結
*米軍は、占領軍から「在日米軍」として日本に駐留
*1960年、安保条約改定(日米新安保条約)
*1972年沖縄返還。米軍基地の70%以上が沖縄にあり、辺野古基地新設は問題
*不平等な「日米地位協定」により米軍の経費を負担 (5年で1兆551億円)

▼専守防衛

*1957年国防会議(現在の国家安全保障会議)で「国防の基本方針」策定
 ・日本は専守防衛であり、「攻撃的兵器」(長距離型爆撃機、攻撃型空母、大陸間弾道ミサイル など)は持たないと制約

▼自衛隊の海外派遣

*1991年の湾岸戦争で、日本は米国などに約130億ドルの財政支援をしたが、自衛隊を派遣しなかったことであまり評価されなかった事が契機となり、1992年PKO協力法、1999年周辺事態法、2001年テロ対策特別措置法、2003年有事法制・イラク特措法などを次々と制定。専守防衛を離れ、自衛隊の積極的な海外派遣へ
*2006年防衛庁設置法等の改正で、防衛庁は、防衛省に昇格

▼憲法違反の安保法制で集団的自衛権

*2014年憲法解釈を変更し、歴代内閣の禁じた集団的自衛権の行使を閣議決定
*2015年安全保障関連法制成立 憲法違反と言われている

▼防衛費の倍増、敵地攻撃能力保持へ

*2022年防衛費を5年以内に2倍の年間約11兆円にすると表明

 

●防衛費を5年以内に2倍(5年間で43兆円)に

*日本の安全保障を取り巻く環境の急速な変化を根拠に

・ロシアによるウクライナ侵攻
・中国による台湾海峡をめぐる緊張
・北朝鮮の相次ぐミサイル発射

↑ 国民の不安をあおり性急に進めている


*「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」で防衛力強化を議論

・5年以内の防衛力の抜本的強化
・防衛省は敵基地への「反撃能力」を念頭にした武器の量産
・防衛費をGDPの1%以内から2%へ(過去最大規模、5兆円以上増額)

*敵地攻撃を可能にし、周辺国に脅威を与えるため

●平和について考えてみよう

*孫子の兵法の第4章形篇では「攻撃は最大の防御」というが、その本当に意味するところは、「どう考えても攻撃できないぞ」と、敵があきらめるくらいの狡知に富んだ、頭のいい防御体制をつくっていくということをいう
*では、敵があきらめるほどの頭のいい防衛体制とは?

どちらが安全、平和ですか
軍事力   平和力
平和憲法を破棄、軍事力強化。
「アメリカの敵は日本の敵(集団的自衛権)」米国を後ろ盾に近隣国と対立を続け、自国もミサイルなどの攻撃的武器を強化する国
  平和憲法を遵守、平和省を創設。
自国の自立と世界の飢餓貧困、環境破壊、災害や感染症などに対して、国家として支援活動に力を入れる国


★『戦争は外交の失敗』

・安倍元首相は、これまでの外交方針を一変。『アメリカの敵は日本の敵』という姿勢で、中国とロシアと敵対し、韓国とも対立を激化させた
・北朝鮮とも「拉致被害者の救済」の交渉をせず、対立姿勢を明確にした
・安倍元首相の「積極的平和主義」は間違い(誤用)であり、平和主義と真逆
・菅政権、岸田政権は安倍路線を継承し、とても危険な道を進んでいる

 ●国民の声を聞かない首相はいらない

 『武器より平和を』 『武力による抑止より信頼を』 

*医療・福祉、環境・防災、子育て支援にシフト
*食料自給、エネルギー自給に本腰を入れる
*格差をなくし、生活を安定させる
*日本政府は、信頼される国へ、平和外交を!