『地球村』のスタンス

臓器からのメッセージ?(2023.03.23)

★脂肪と筋肉
 以前は、体をコントロールしているのは脳だとされていたが、研究が進むにつれて新たなことがわかってきた。
・脳が臓器に命令を発して生命維持や活動をコントロールしていると思ってきたが、実際は生命は腸から始まり、次第に他の内臓が作られ、最後に脳が作られた。脳が生まれる前から、臓器は様々なメッセージ物質を出して互いに協力して生命維持と活動をコントロールしていた。脳は最後に作られ臓器としてその協力関係に参加した。
最初の臓器である小腸は、私たちの体の主役であり、生命の本質であると言える。

★さらに、これまでは、脂肪や筋肉は臓器ではないと考えられていたが、臓器と同じように多くのメッセージを出して脳や他の臓器をコントロールしていることもわかった。
例えば脂肪は、「栄養が足りている。もう食べなくていいよ」「子供を作ることができるよ」というメッセージを全身に送っている。
例えば筋肉は、「意欲、活力を上げ、老化を抑え、ガンを抑える働き」がある。
しかし、脂肪や筋肉が付きすぎるとマイナスの作用も強くなるからバランスが必要。
 脂肪や筋肉が出しているメッセージ物質は数百種類あることがわかり、内臓以上の働きをしていることがわかってきた。
 私たちが内臓と呼んでいたものも、脂肪や筋肉、皮膚と呼んでいたものも、実際には区別するようなものではなく、複雑に繋がったなくてはならないものだったのだ。しかしその中の一つに機能低下が起きれば、他のものがそれをカバーし、生命を維持するのだ。

★こうしたことで重要な問題提起が生まれる
 私たちは、心不全、腎不全などの言葉を使うが、脳についてだけ、脳不全と呼ばず『脳死』と呼ぶ。なぜか。
 それは脳が、生命の主役だと考えてきたからだ。脳が働かなくなることを『脳死』と呼び、死んだも同然と考え、生体臓器移植したりするが、これらのことがわかってきた今、変ではないだろうか。
 これは「生体臓器移植に賛成か、反対か」という議論ではなく、「生命とは何か、死とはなにか」という『生命倫理』の問題なのだろう。