『地球村』のスタンス

木星探査(2023.04.20)

★木星の氷の衛星探査計画
・木星には90以上の衛星があるが、その中で地球の月よりも大きい衛星は4つある。
木星に近い順にイオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト。衛星には表面はマイナス100℃より冷たいが、内部には海があると考えられ、その中には生命が存在する可能性がある。
 それを探るために、15年前に「木星氷の衛星探査計画」が立ち上がった。
 中心は欧州宇宙機関、日本など23カ国2000人が参加している。
・予算は10億ドル(1兆3300億円)
それがついに打ち上げられた。
・4月17日、欧州宇宙機関によって南米の仏領ギアナの宇宙センターから打ち上げられ、無事、地球脱出軌道に乗った。
・名前はジュース、木星(ジュピター)氷の惑星(アイス)探査船(EXPLORER)からの命名
・ジュースは今後、地球、月、金星の重力圏離脱を利用したスイングバイによって加速しながら木星に向かい、これらすべてが成功すると木星に到達するのは8年後の2031年7月。
※私は84歳、生きているかなあ……

・探査船は重さ6トン、太陽電池を広げた大きさは27mという史上最大の大きさ。
・搭載されているのは、カメラ、赤外線分光器、磁力計、化学分析機など11の機材。

1、内部の海の存在の確認
 衛星の上空を飛行する探査船が、衛星の形の変形を測定し、それによって海の存在と海の深さを探る。

2、衛星の表面から吹き出す蒸気の成分を分析することにより、海の中の生物の存在の可能性(バイオマーカー)を探る。

・とはいえ、科学というものは「○○ならば□□、□□ならば△△、△△ならば」という論理によって成り立っているから、その前提や仮定が間違っているとすべてが崩れることになる。
・例えば、探査船が衛星のメートル単位の変形を観測して、衛星内部の海の存在、海の深さを測ろうとしているが、衛星の数百Km上空から衛星のメートル単位の変形を観測できるのか。
・衛星表面から吹き出す蒸気の化学分析で硫化水素があれば硫酸還元菌が居るという仮説によって生命の存在を確認しようとしているが、果たして硫化水素は微生物しか作れないのか。などなど。

さらに、・木星は非常に遠い。太陽から5.2au。そこに届くかどうかも非常に難しい。あえて例えるならば『ゴルフのホールインワン』よりも何兆倍も難しい。途中で軌道修正できるが、それ自体も難しいし、木星に到達したあとのコントロールがさらに難しい。
 なぜならば、地球から探査船の距離は光でも電波でも35〜52分かかるから、地球で探査船の状態を受信し、コントロール信号を送信し、それが探査船に届くまで往復70〜100分かかる。そのコントロールが成功したか失敗したかがわかるまで時間がかかり再調整するまでの2往復には2時間以上かかるのだから気が遠くなる。