『地球村』のスタンス

米中関係(2023.06.20)

★米中関係は過去最悪
 中国の経済拡大とともに軍事力拡大、周囲の国の領土や領海に対して侵入、侵略、占領行為が激しくなってきた。日本の尖閣諸島、台湾海峡、南シナ海における軍港建設などは目に余る。南太平洋諸国、アフリカ諸国に対しても経済的圧力と経済支援の引き換えに港湾の軍事使用を進めている。
 ロシアの軍事侵略以降、中国はロシアに接近することで世界の分断を加速させている。
 これに対してアメリカ、NATO、西側諸国、日本、韓国の「対立」の激化。このままでは軍事的衝突、経済的衝突は避けられない。

 「対立」改善のための話し合いとして、今回はアメリカのブリンケン国務長官が訪中した。これはバイデン政権の閣僚として初の訪中。

 これまでも何度かアメリカ側のアプローチがあったが、中国のアメリカ本土への偵察気球事件で流れたり、シンガポール会議ではアメリカのプロポーズを中国側が拒否するなど、中国の方が「関係改善に関心無し」という態度を取ってきた。

 今回のブリンケン国務長官の訪中でも、空港ではレッドカーペットもなく高官の出迎もなく歓迎会もなく、これまでにはない屈辱外交となった。
 2日間の訪中で会談できたのはシンゴウ外務大臣だけ。外交トップの王毅政治局員とは翌日会えたが、会談ではなく面会という形だった。対等な話し合いではなく、「米中関係は過去最悪、それはアメリカの一方的敵対的な言動が原因。「対立」か協調か、選択はアメリカが問われている」と叱られた形だった。
中国の習近平主席には会えるかどうか心配されていたが、結果的には会えたのだが、これは会談ではなく面会という形になった。
 左側にブリンケン国務長官以下アメリカ側を座らせ、右側に王毅政治局員以下中国の外交関係者を座らせ、習首席はそれを見下ろす形で上座に座り、
「中国のレッドラインを認識すること」とコメントした。
中国のレッドラインとは「中国の体制変更を試みたり、体制批判しないこと。台湾の独立を支持しないこと、それを認識した上で話し合いを続けること」
 もはや中国はアメリカより上位、優位にあると感じられる。世界の情勢は大きく変わってしまった。
バイデン大統領は支持率が下がり、来年の大統領選ではトランプ氏が再選されるかもしれない。そうなると米中関係は臨界状態になるかもしれない。