『地球村』のスタンス

公害訴訟(2023.09.28)

★水俣病患者
・1956年には三千人が認定された、95年1万人260万円、2009年3万8000人210万円
・そこからも漏れていた人、認定されなかった人が訴えを続けてきて、きのう128人全員が認定され、275万円の賠償を命じた。

★核のごみ問題
・日本にはこれまでの原発推進で、各原発の敷地には大量(1万9千トン)の放射性廃棄物が溜まっている。中間処理場の問題も進まないまま、最終処分場の問題を進めようとしている。最終処分場は地下300メートルより深い安定した場所に埋めることになっているが、保管期間は10万年。10万年というと、ホモ・サピエンスの誕生から現在までに匹敵する気が遠くなる年月。その間には土地の隆起や侵食、火山活動など何が起きるかわからない。だから最終処分場の決定には様々な調査が必要だし、いくら調査しても10万年の保証は不可能。
・しかし文献調査だけでも20億円、ボーリング調査まで進めば70億円、詳細調査なら100億円以上、建設段階にはいくらもらえるかは未発表。小さな自治体には夢のような巨額収入となる。札束で核のゴミを受け入れさせる方法は、国家としても国民としても大いに疑問がある。

・しかしすでに北海道の神恵内村(かもえないむら)、寿都町(すっつちょう)が文献調査を受け入れている。
中には「金をもらって調査だけして次の段階で断ればいい」と考えている人もいるだろう。しかし本当はどうか。
 政府も電力会社も、賛成派の多くは「先のことなんてわからない。10万年先なんてどうでもいい」と考えているのではなかろうか。

・長崎県対馬市
 先月、市議会特別委員会は、「文献調査」を推進する請願を賛成多数で採択、市議会が市長に賛成するよう迫ったことで、北海道の2つの自治体に続くかどうか注目されていた。住民の反対署名が進んでいる中で、きのう市長が「受け入れない」と表明した。
「理由は風評被害、観光客への影響を考えると20億円でも合わない。それ以上、市の分断は避けたい。これでこの問題を終わりとしたい」