地球は今

【地球は今...】5分でわかる日本の国家予算

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日本の国家予算は85兆円と言われていますが、国の借金の返済だけで約100兆円、年金支出で34兆円。
これだけで85兆円をはるかに越えています。日本の国家予算(家計)はいったいどうなっているのでしょう? 『地球村』事務局
 (※平成20年度第2次補正予算が国会の審議中ですので、平成19年度決算を元に算出しています)



●一般会計の矛盾

国家予算が85兆円あり、この中から各省庁へ使えるお金の配分が国会で決められます。
厚生省22兆円、国土交通省7兆円、防衛省5兆円、環境省0.2兆円など。
しかし、厚生省の年金支出だけで34兆円ですから、厚生省の年間予算を大きく上回ります。
この矛盾は、各省庁に見られます。さて、これはどういうことでしょう。
 


 ●特別会計の不可解 

 実は各省庁には、さまざまな収入があるのです。これを特別会計といいます。
各省庁のこうしたお金の総額は377兆円。国家予算の4倍以上という途方もない金額なのです。
もとはといえば、それはすべて国民や企業が支払っているのです。
特別会計は、現在21種類あり、各省庁間のお金のやりとり、国家予算との間のお金のやりとりがあり、非常に複雑な流れになっていて金額の把握が難しく、国会でも審議されないため、「密室政治、官僚政治、天下り、談合、埋蔵金、無駄な公共事業、巨大公共事業」などの温床になっているのです。
 


  
●重複を除くと国家予算は

一般会計と特別会計の重複を除いた金額、214兆円が本当の国家の年間支出になります。
しかし、一般会計から特別会計へ繰り入れられる金額は48兆円なので、国会で審議され使途が明確な金額は一般会計のうち37兆円(85兆円-48兆円)であり、国民がわかる部分は、日本の214兆円のわずか6分の1という仕組みになっているのです。
無駄なダム、無駄な公共事業、無駄な道路工事などは、こうしたことに利害のある「族議員」(与党)の暗躍する結果なのです。
この仕組みを一掃しない限り、日本は変わらないでしょう。



●こんな身近な特別会計
・年金、健康保険、児童手当などは「年金特別会計」で厚生労働省が管理。総額は、56兆円
・労災保険、失業保険などは「労働保険特別会計」で厚生労働省が管理。総額は、3兆円
・揮発油税(ガソリン税)で道路を作るのは「道路整備特別会計」、国土交通省が管理。総額は、4兆円
・ダムを作るためだけ、川を掘ったり埋めたりするためだけの「治水特別会計」は国土交通省が管理。総額は、1兆円


●埋蔵金、国の借金・・・
特別会計の中には、様々な目的のために積み立てられてそのままになっているお金が210兆円(平成17年度末)あります。
これが「霞ヶ関埋蔵金」と言われています。
一方で、国と地方の借金(長期債務)の総額は約800兆円(平成21年度末)。私たち一人ひとりが600万円以上の借金をしているのと同じです。
 



●国家予算の全体が見えるように
戦前の特別会計には、軍事関係の費用を国会を通さずに成立させることなどを目的として設置されたものが多かったのです。
特別会計はその思想を引き継いだシステムです。
現在、政府が特別会計の見直しを行っていますが、特別会計という特殊なシステムを残したままでの改革に過ぎず、私たちが国に払う税金や各種手数料が完全に見える形にはなっていません。
たとえば、「5,000万人分が不明になった国民年金」なども、これらの不明なお金の流れの中に埋もれて、「うやむや」になり、忘れ去られるのではないでしょうか。


 

【結論】
一般会計、特別会計を一元化し、国民に見える形にし、国会で審議するようにすれば、現在の予算(214兆円)よりも小さい予算で、日本はもっともっといい国になるでしょう。
政治や、税金、お金の使い方に、もっと関心を持ち、意見を述べましょう。

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