【地球は今...】子ども兵をなくすために、武器規制条約を
今年7月に国連で武器を規制するための条約を定める国際会議が開催されます。
この会議の結果で、4月号でお知らせしたウガンダなどの子ども兵を減らすことにつながります。私達に何ができるのかをお伝えします。 (渡辺裕文)
どこにでもある武器
日本に住む私たちからは少し遠く感じますが、武器が身近に存在する国がたくさんあります。
その武器は、ナイフや銃だけではありません。
ライフル、大砲、戦車や攻撃用ヘリといったものまで含まれます。
この武器によって、戦争・紛争が引き起こされ、かけがえのない生命が奪われ、普通の生活や町が破壊されています。
【一年間に120億個】
一年間に世界で生産されている弾薬の数は、1年間で120億個。
地球上に住んでいる人を2回も殺すことが出来る数が毎年生産されています。
【一分に一人、一年で50万人】
年間50万人の人が武器で殺されています。兵士だけでなく、一般の市民、特に女性や子どもが犠牲となっています。
武器の犠牲者、子ども兵
反政府軍などによって襲撃された村から、略奪された少年・少女が兵士(子ども兵)として強制的に戦闘に参加させられています。
世界19カ国で25万人以上、先月紹介したウガンダの反政府勢力「神の抵抗軍」だけで6万6千人と言われています。
誘拐、略奪された子どもたちが兵士となっているため、実数はわからず、「目に見えない兵士」とも呼ばれています。
この子どもたちは、銃やナイフなどの武器で、自分の母親を殺したり、父親の腕を切り落としたりすることを強要され、兵士として育てられます。
運良く、兵士をやめることができても、故郷を追われ、自分自身も心に大きな傷を負い、当時の記憶に苦しみながら生活していくことになります。
コンゴでは1990年代に銃などの小型武器の流入で紛争が激化しました。
子ども兵の増加、悲惨な被害が拡大している中でも武器の輸出は止まらなかったのです。
※4月号の地球は今シリーズ「ウガンダ 少年兵と社会復帰」もご覧ください。
武器を輸入や輸出をする時の規制は?
武器を輸出したり、輸入したりするための国際条約は、まだありません。
バナナよりも簡単に輸出入できるのです。
そこで、2003年以来、「武器を取引する規制条約を作ろう」と、アムネスティやオクスファム等の国際NGOが中心になって、「コントロールアームズキャンペーン」が立ち上げられました。
『地球村』もアムネスティ・インターナショナルジャパンやテラ・ルネッサンスなど日本のNGOと一緒に、コントロールアームズキャンペーンに参加。
「Your smile is power.」をキャッチコピーにミリオンフェィスキャンペーンを行いました。
こうした市民の動きによって、2007年から国連で武器貿易条約を定めるための話し合いが始まり、今年2012年7月の国連総会でこの武器貿易条約の制定のための最後の交渉が行われます。
しかし、武器を輸出したり、輸入して紛争を起こしている国々から、条約の内容を骨抜きにしようとする大きな反発が予想されます。
世界中のNGOがこの国連会議へ市民の声を届けようと協力してキャンペーンを行なっています。
【「武器の規制を!」キャンペーンにあなたの声を!】
日本では、『地球村』とアムネスティ・インターナショナルジャパン、インターバンド、オックスファム、テラ・ルネッサンスが、協働で国連会議に届ける100万人の署名を募集しています。
命を奪う武器の流れを止めるためにグローバルアピールへの賛同署名をお願いします。(署名期間:6月17日まで)
●サイト署名をお願いします。
●もっと広めるために!
「コントロールアームズキャンペーン」でパンフレットを作成しました。
必要な方は、アムネスティ(電話03-3518-6777担当:川上)にご連絡ください。